令和5年度 入学式

いちむら中・高では4月6日(木)、令和5年度  入学式が行われました。今までになく多数の入学者を迎えた今年度は、記念体育館改修後初の大規模な式典となりました。

受付の様子

コロナ禍以後、初めての国歌・校歌「斉唱」に続き、新校長・若山先生による式辞、末岡理事長先生の祝辞のあと、中・高それぞれ新入生の総代が誓いのことばを述べました。壇上での教員紹介後、新入生たちは担任の先生に引率され、ホームルーム教室へと移動しました。

初めてのHR、担任との顔合わせ
保護者の方々へ担任あいさつ

初めてのHRに緊張気味の生徒たちでしたが、高校での新たな学びに期待を膨らませている様子も見えました。保護者の方々と合流して解散後、出入口周辺では部活動の在校生たちが早速勧誘活動をしていました。

クラブの生徒たち
吹奏楽部による演奏

校門近くでは吹奏楽部が野外で演奏を披露。この時までには雨も止み、入学式の看板を前に写真を撮る親子でにぎわっていました。

入学式の看板の前で記念撮影!

新入生の皆さん、明日からいよいよ高校生活が始まっていきます。まずは制服を着慣れ、通学路に慣れ、元気よく登校して新たな自分を切り拓いていってほしいと思います!

ご入学おめでとうございます!

令和5年度 始業式

4月5日(水)、令和5年度  始業式を行いました。新入生より一足早く、新学期のスタートです。生徒たちは新ホームルームに登校し、新しい担任の先生と顔合わせをしたのち、グランドに整列しました。

若山新校長

校歌演奏に続いて、今年度より校長に就任した若山和彦先生のお話ののち、新任の先生方の紹介もありました。理科助手・図書館司書の先生を含めて新たに7名の先生方をお迎えし、それぞれ全校生徒を前に挨拶されました。

新任の先生のあいさつ

後半は生徒会にバトンタッチし、春休み中の全国大会に出場した部活動からの報告がありました。各団体の部長が自分の言葉で、大会結果や今後の抱負を語りました。

生徒会長のあいさつ
結果報告の様子

さあ、新年度のスタートです!新たな仲間たちと、新たな目標、新たな自分づくりに、新鮮な気持ちをもって臨みましょう!

文化部合同発表会を開催!!

3月30日(木)、東文化小劇場(名古屋市東区)にて、いちむら文化部合同発表会を開催しました。

会場入口の看板
午前中のリハーサル

文化部の日頃の活動の成果を発表する場として、コロナ禍で文化祭を縮小せざるを得なかった2020年度より、ステージ発表と展示という形で毎年3月末に行われているイベントです。

情報処理部
手芸部
文芸同好会
科学研究部

ロビーでは、美術部・書道部・写真部・漫画研究部・手芸部・科学研究部・情報処理部・文芸同好会の各クラブが作品や活動成果を展示。会場を訪れた方々を迎えました。

美術部
写真部
書道部

ステージ発表では、軽音楽部を皮切りに、吹奏楽部・合唱部・トーチトワリング部・科学研究部・SDGs探究部・演劇部・バトン部・ダンス部がそれぞれパフォーマンスあるいは活動報告を行いました。会場のナレーションを放送部が、司会を生徒会役員が務め、まさに生徒が創る発表会となりました。

軽音楽部①
軽音楽部②
吹奏楽部①
吹奏楽部②
合唱部
トーチトワリング部①
トーチトワリング部②
科学研究部①
科学研究部②
SDGs探究部

13時の開演から18時まで、約5時間に渡り各部が圧巻の舞台を繰り広げ、市邨の文化部ここにあり!と、来場者を楽しませ、感動させていました。

演劇部①
演劇部②
バトン部①
バトン部②

数々の大会で成績を残している体育部だけでなく、市邨文化部の活動がどれほど充実しているか、とてもよく伝わる合同発表会となりました。

ダンス部①
ダンス部②
ダンス部③

平日にも関わらず、多数のお客様にご来場いただき、生徒たちも力いっぱい発表することが出来ました。開催に当たり協力いただいた皆さま、そして部員の保護者の方々はじめ、見に来てくださった皆さま、誠にありがとうございました!

来年度も詳細は未定ですが、このような機会を設けられればと思います。これからも、市邨文化部を応援よろしくお願いします。

令和4年度 修了式

3月20日(月)、令和4年度  修了式を行いました。暖かな晴天に恵まれ、この春卒業した3年生を除いた中高の全校生徒がグランドに整列し、コロナ禍以来久しぶりの全校集会の形で執り行われました。

校長先生のお話

校歌演奏(また斉唱できる日が来るといいですね!)に続き、校長先生のお話、そして今年度をもってご退職される先生方の紹介がありました。

澁谷校長先生をはじめ、年度の変わり目に際して多くの先生方が市邨を去られます。長年お勤めになった先生方もおり、大変さみしく思いますが、何よりも退職される先生方の今後さらなる活躍、ご健康とご多幸を祈念したいと思います。今までお疲れ様でした。

全国大会壮行会のようす

式後は生徒会部より、全国大会出場部活動の壮行会が行われました。このたびは女子体操部・女子ハンドボール部・バドミントン部(男女)・硬式テニス部(男女)の4つの部活動が春休み中の全国大会に出場します。壮行会では、それぞれの部員が壇上に上がり、主将が出場の報告とともに大会に臨む決意を語りました。

女子体操部
バドミントン部女子
バドミントン部男子
女子ハンドボール部

未だ完全にコロナ不安が払しょくされたわけではありませんが、出場部活動の皆さんには健康に留意しつつ、悔いのないように本来の力を発揮してきてほしいと思います。

これで今年度は一区切り、次に全校そろっての登校は新学期の始業式になります。春休み中も学びを止めることなく、新たにいいスタートが切れるよう、充実した毎日を過ごしてほしいと思います!4月にまた元気な姿で会えることを楽しみにしています!

令和4年度修了式を行いました

今年度の締めくくりの式を行いました。

桜が開花しはじめたグランドでの修了式は初めてのことです。

ポカポカした春の陽気の中、長い式辞を述べました。

以下、校長式辞。

おはようございます。

修了式の日に、このように桜が開花し、すでに満開に近いというのは、春が来たという喜びを感じます。でも、これからもこのように早い春の訪れがあり得るかもと云う点では、地球温暖化について憂うべきことなのかもしれません。

 一年の最後になってこのように全校生徒が一堂に会することができたのは、本当に嬉しいことです。避難訓練以来ですね。市邨生として同じ場所で同じ時を過ごしているという実感が嬉しいことです。

 来年からは、皆さんに加えて、高校の新入生525名、中学校の新入生81名が全市邨生ということになります。市邨の教育を指示してくれる人が増えていることに感謝します。

 

 皆さんが、今日、この修了式に出席できているということは、昨日、カナダ語学研修に出発した13名と選抜大会に出発したテニス部の選手たちを含めて、出席者全員がこの1年間の学習の成果と努力が認められ、次の学年に進級することを認められたということです。おめでとうございます。

 成績が5段階評価でつけられていますが、評価とは、現在あるいは過去の、努力や成長の結果を測る物差しにすぎないのであって、肝腎なことはそこから自分のこれから進むべき方向性を見つけることです。

評価が低いからといってダメなのではありません。誰が自分のことをどう評価しようと、究極は自分自身がどう評価するかであす。自分の中になにくそ、という気持ちがあって、こんなものが自分の力ではないと思うのであれば、もらった低い評価を励みにすればいい。こんなものかなと思うのであれば、冷静にこれからの取り組み方を考えれば良い。大事なことは未来にあるのです。

 市邨芳樹先生は100年前に「学生の勉学は単に試験の為にあらず、智を磨き徳を修むるを楽しむに至りて、最も善く修学の目的を達するを得べし」と言いました。学びの目的は人としての品格を高めるために有り、学ぶことが楽しいと感じる境地に達してほしいと願っていました。

 

 未来はますます不確かになっています。コロナ禍やウクライナ戦争によってますます時代は混沌としています。誰も2030年の未来を確実に予想することはできません。たった7年後の未来です。対話型AIのChatGPTに聞いてもいい加減な答えしか返ってきません。いや確実なのは、やがて人間は考えることを止め、代わってAIが判断するようになるだろうということです。一部の世界ではすでに始まっています。例えば、自動運転の技術です。私は、AIが取って代わることができないのは未来のどの部分だろうかということに大いに関心があります。

 

 先日のExhibition Day / Open Day は私にとって素晴らしい発見となりました。そこで見られた発表者の自信に満ちた声や仕草、それを聞く人たちの真剣で暖かい眼差しは感動的でさえありました。ひとり一人が見つけたテーマそのものが個性的で独自性がありました。まじめで核心を突く質問、その質問に自信を持って答える発表者、それを可能にしたのは発表したこと以上のデータの裏付けを持っていたからでした。生徒の皆さんと教師のこの1年間の成長を感じることができました。市邨の探究型の学び、市邨メソッドは確実に発展しつつあると確信しました。

 この1年間、市邨はこれまで数年間かかって新しい取り組みを積み上げてきました。それは、現2年生も同じです。新しい取り組みを土台にして、一気に新しい教育の形を展開してきました。四つの新しいコース、授業時間の削減、放課後の学びカフェ、学びサポーター、Global Competence Program、言語力・論理力、インターンシップ、SDGsとユネスコスクール、これらは全て、Student-Centered  Learning つまり生徒を主語にする学びによって可能になるものであり、また生徒を主体とする学びを実現するための方法、手段でもありました。そこには、生徒の底力と生徒の学ぼうとする意欲を信じて、可能性を無限に引き出そうという壮大な目標があるのです。

 AIではなく、若者が未来を切り拓くことは可能か、その答えは、市邨精神にあると私は信じています。  

 

 市邨での学びは、市邨芳樹先生のいう「桜は桜、松は松たれ。各自の天禀に適応し、精励以て特色を発揚し、而して無名の英雄たるに甘んぜよ。」という一節に込められています。市邨での学びは「自分の特性を如何なく発揮し、自分だけが知るかけがえのない努力」そのものだったと言えると思います。その価値はあなた方自身が最もよく分かっているところです。

 先週の中学の卒業式で私は、宮沢賢治について話をしました。宮沢賢治に力をもらって教員になった私は、教員生活最後の学校で市邨芳樹先生に出会い、自分の教員としての原点に再び出会うことができました。それは、市邨先生の言葉で言えば、犠牲的精神、通常、犠牲という言葉はネガティブに使われますが、市邨先生の云う犠牲的精神はそうではなくポジティブなものです。

 市邨精神の大きな柱である、犠牲的精神について、市邨芳樹先生は、「犠牲的精神を以て天職を尽くすと云うこと」がいかに大事かを卒業式のたびに生徒たちに話したといいます。「人生の進むべき道というのは、人の為に尽くすということにある、それがどうしようもなく仕方がないからするのでなく、自ら楽しんで人の為に尽くすことが肝心である」と教えたのです。人の道は犠牲的精神にこそある、見返りを求めず、自ら楽しんで人の為に自分を投げ出そうではないかと呼びかけたのです。

 その心は、賢治さんの残した「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉に込められた思いと同じだと痛切に感じました。

 二人の思いは、世界や宇宙にまで及んで気宇壮大なものですが、私の考える犠牲的精神は、人がなんのために生きるか、または、なんのために働くかという点にあります。それは、人が働くのは、一つには自分が生きる糧を稼ぐためですが、自分が生きるためにどう働いてもいいというのではなく、人のために働く、自分も含めて、人がぜんたい幸せになるために働くのだと考えています。これは市邨先生が、商業者がものを売るのは、自分のもうけのためでなく、第1に買う人の利便のためである、そうすれば自ずと自分にも利が回ってくると教えたことに通じます。人の幸いのための商業活動なのです。経済と道徳は同一でなければならぬという意味です。そういう意味で、先生たちは生徒の幸せのために働くのです。

 困難な社会にあって、本校の学校としての使命は、”それぞれの個性を磨き、能力を伸長し、人のために尽くす人物を育成する” ことにあると思っています。

 生徒の皆さんが、それぞれの自分の個性を磨き成長し、そしてそれは、周りの人のしあわせ、人類の幸福のために生きるのだと云うことを肝に銘じていただくよう願っています。

 

 私は、この3月で市邨を去りますが、市邨精神を学んだことを終生の誇りに思い、市邨先生の云う「終身教育」を全うしようと思います。12年間にわたり、市邨精神と共にあったことは望外の幸せでした。本当に楽しい12年間でした。

 生徒や教職員やすべての関係者の方々と力を合わせて、市邨の教育改革を進めることができたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 春休み中にも部活動や学習に学校に来て、活動すると思いますが、皆さんが次に全員で集まるのは、4月5日の始業式の日です。それまで、学習を休まないように、新学年に向けて準備をしてください。

 皆さんのこれからの活躍を楽しみにしています。

令和4年度中学校卒業証書授与式を挙行しました

令和4年度名古屋経済大学市邨中学校第76回卒業証書授与式を挙行しました。

例年よりも少し遅い日程で行われましたが、おかげで前々日のOpen Day に3年生の発表の機会を設けることができました。卒業前に素晴らしい学びの場が設けられたと思います。

ここ数日は4月並みの暖かさで、校庭の桜はもう5分咲きです。いつもは入学式に診られる光景でしたが、祝福するかのように卒業式に前倒しとなりました。

卒業生は、3年前のコロナ禍のために小学校の卒業式も行われなかったということで、初めての卒業式を経験することになりました。厳粛な雰囲気の中感動的な卒業式となりました。

校長式辞です。

校庭の桜も咲き始め、一段と春の訪れが感じられる季節になりました。本日ここに名古屋経済大学市邨中学校第76回卒業証書授与式を挙行できますことを心よりうれしく思います。

 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、この日を心待ちにしてこられた、ご家族の皆様に心よりお祝いを申し上げますとともに、この三年間のご支援とご協力に深く感謝申し上げます。

 いま社会は激しく動いています。3年前にコロナ禍が波のように押し寄せ、そして引きつつあります。昨年にはロシアがウクライナに侵攻し世界は戦争の危機に直面し、経済は混乱しています。そして先月、トルコ・シリア大地震が発生し死者は5万人を超え、数百万人が避難生活を送っています。

 地震や感染症という自然災害にくわえて、戦争という人間同士の争いも予測不可能な未来に拍車をかけています。昨日までの常識が今日は覆され、安全だったはずの日常が突然危険きわまりない不安定な世界に変わる現実を突きつけられています。

 果たして2030年の未来は来るのか、2040年の未来を担う若者は現在をどのように生きれば良いのかを考えるとき、君達若者に求められているものは非常に大きいのです。

 9年間の義務教育を終えた皆さんは、社会のために大きな一歩を踏み出さなければなりません。

 皆さんは、入学式の直後から臨時休校となり、その後約二ヶ月にわたって、学校で勉強できませんでした。

オンライン授業ができたとしても、なかなか勉強することができず、辛い思いをしたことと思います。それとも、「勉強は嫌いだったから、ちょうど良かった」と思いましたか。いずれにせよ、皆さんは、なんとか自分なりに勉強に取り組み、自分なりの勉強を始めました。入学式直後に渡されたiPadを使って、オンラインで結ばれて授業を受けたとき、何とか学校との繋がりができて少しホッとしたのではないでしょうか。

 その時、家では、自分なりの工夫をして机に向かい、勉強する体制を作ったと思います。自分から意識して勉強することを求められた。そうしないと、逃げ出しそうな自分がいた。しかしオンラインで先生や友達と繋がることによって、勉強を始めることができたのではないでしょうか。学校にいるときのように強制力が働かなくとも、君たちは勉強を始めることができました。自分から勉強を始めることを経験しました。このことは他の年代の人たちと違うところで、それはマイナスではなくおおきなプラスの財産なのです。君たちは、自分で勉強するという学びの感覚ができているのです。君たちには、好奇心があって、学びたいという意欲があって、そして確かに学んできた、その感覚を大事にしてほしいと思います。自ら学ぶという感覚は、貴重なものです。

 勉強とは、本来自分でするものなので、高校に行っても自ら勉強するという感覚は手放してはいけません。人に頼らず、先生にも頼らず、自分で勉強しようとなって初めて、友達からの刺激や先生からの助けが生きてくるのです。

 皆さんはこの3年間全国的にも最先端の学びを体験して来ました。文房具としてiPadを使いこなし、充実したICT教育の環境を生かして、自分の頭で考え、自分を表現し、友達と協力して学び合うことができるようになりました。他の学校にはない学びが市邨にはあり、自分の成長を実感する中で、そのことがどれだけ貴重か分かっています。自分で課題を見つけ、自分で考え、自分で判断し、仲間と協力して解決する、これこそが、予測できない未来を生きる方法です。

 一昨日の Open Day では、この様にして得られた3年間の力が成果としてプレゼンテーションに表れていました。部活で成長したこと、授業で成長したこと、プレゼンテーションで成長したことなどを自分の目線で自信をもって発表してくれました。この3年間で習得したICT技術を駆使しての立派な発信でした。ゼミやLanguageArts、イングリッシュキャンプ、修学旅行、体育祭、ダンスレッスン、部活動などで皆さんがよく楽しみ、よく学んだことがわかりました。これらが単なる楽しい思い出として残っているのではなく、皆さんの学力を高め、自信を深め、人格を磨くことに繋がっていると確信しました。

 皆さんは、宮沢賢治を知っていますね。小学校の教科書では、「やまなし」、「よだかの星」などの作品が載っていますし、「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」などの児童文学、高校では、「永訣の朝」、「春と修羅」などの詩が教科書で扱われています。詩人あるいは童話作家としてよく知られています。実は彼は、教員でもありました。今から100年前に岩手県立花巻農学校に勤めました。わずか4年半のことでした。この4年間の教師としての彼の教育実践は型破りで多くの生徒達を夢中にしました。その影響は現在の花巻農業高等学校に今も残っています。

 彼が教員時代に書いた「農民芸術概論綱要」には、皆さんが聞いたことがある様な有名な一節があります。

「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」

「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである」

「おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ われらのすべての田園とわれらのすべての生活を一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか」という壮大なもので、最後に、「われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である」と結ばれます。

これらの言葉は今もいろいろなところに句碑が立てられ残っています。

同じく教員時代に書いた「春と修羅」という詩集は、「わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」から始まります。「四月の気層の光の底を、唾し、はぎしりゆききする、俺は一人の修羅なのだ」      私に衝撃を与えました。

そして「生徒諸君に寄せる」という詩をノートに残しています。

「新らしい風のやうに爽やかな星雲のやうに透明に愉快な明日は来る」

「諸君はこの颯爽たる 諸君の未来圏から吹いて来る 透明な清潔な風を感じないのか」

私は、宮沢賢治のこれらの言葉や、当時の最先端の自然科学を学び、農民の為に自分の命を燃やし尽くして病に倒れた生き様を知って、教員になろうと思ったのです。

そして、教員として最後に勤めたこの市邨中学校・高等学校で市邨芳樹先生に出会い、その市邨精神の中に、私は、賢治の心を見ました。

「桜は桜、松は松たれ。各自の天禀に適応し、精励以て特色を発揚し、而して無名の英雄たるに甘んぜよ。」

宮沢賢治の生涯はまさに、犠牲的精神そのものといえます。

「抑々犠牲的精神の神髄は、楽しんで我が一身を犠牲に供すると云う所にある。かうしなければならぬからと、拠なく我が一身を投げ出すと云う様な訳では無い。」

そして次の一節に、賢治の詩を思わせるリズムを感じています。

「起てよ、憤りを発せよ。有用の人たれ。活舞台に於いて活躍する活人物たれ。世界は我が市場ならずや。」

素晴しい出会いだったと思います。市邨先生と賢治は私に、生徒一人ひとりに、宇宙の中の一人の人間として、持って生まれた能力を磨きあげ、人の為に生きる人生を歩むことを教えてくれたと思います。

 皆さん、卒業は、終わりの時ではありません。むしろ、新しい出発の時です。皆さんがこの3年間中学の学びの中で見つけた課題はまだ解決されていません。これからの予測できない未来の中で、もっともっと大きな課題が出てくると思います。同じキャンパス内であっても、高校に進めば見える景色は違ってくるでしょう。友達関係も変化します。大きな変化の中で、新たな世界が見つかると思います。そこにはきちんと自分の頭で考える君たちがいて、自分で行動して、困難に打ち克って生きて行く君たちであってほしい。

皆さんには可能性に充ちた未来が待っていると信じています。

 最後に、賢治の詩、「生徒諸君に寄せる」から、その一節を餞として贈ります。

「むしろ諸君よ 更にあらたな正しい時代をつくれ

宙宇は絶えずわれらに依って変化する」

「新たな詩人よ 嵐から雲から光から 新たな透明なエネルギーを得て

人と地球にとるべき形を暗示せよ」

 

令和五年三月十七日

           名古屋経済大学市邨中学校長

                 澁谷有人

Ichimura Exhibition Day/Open Dayを開催しました

本校創設者である市邨芳樹先生は

「学生の勉学は単に試験の為にあらず、智を磨き徳を修むるを楽しむに至りて、最も善く修学の目的を達するを得べし。」と言いました。

知を磨き徳を修むるを楽しむために生徒が取り組んだ一年間の学習の成果を、ありのままの生徒の姿で表現する場面として、3月15日(水)、中高でIchimura Exhibition Day/Open Dayを開催しました。

午前は高校1年生全員と高校2年生特進コースとキャリアデザインコースが1年間の学習活動を振り返り、午後は中学生全員が何を学びどのように成長したかを振り返ることを目標として発表を行いました。

 

生徒ひとり一人が自身の言葉で自らの学びをふりかえり、熱心にプレゼンテーションをする姿は、それを聞く生徒や保護者、来校者の方にも大きな影響を与えていました。

普段とは違った環境で、緊張を感じていた生徒もたくさんいましたが、発表を終えると、とても清々しい表情で「楽しかった」「またやりたい」「考えを言うことができた」などと声を掛け合っていました。

生徒の発表後は、交流分科会として、来場いただいた先生方を交えてのパネルディスカッションとセッショントークを実施しました。

「2040年を生きる子どもたちのためにできること」をテーマに本校教員がファシリテーターの役を務め、参加された先生方とともに学びを深めることができました。

 

本日ご来校いただきました保護者の皆様、先生方、そして関係者の皆様、この度は貴重なお時間をいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。

そして、この発表を作り上げた生徒の皆さん、本当に素敵な発表をありがとうございました。皆さんの今後のさらなる成長を楽しみにしています!

令和4年度卒業証書授与式を挙行しました

暖かい春の日差しの下、令和4年度卒業証書授与式を挙行しました。

本校の記念体育館が改修工事中のため、名古屋市公会堂をお借りして開催しました。歴史ある建物と、本校の厳粛な卒業式がマッチして、素敵な思い出深い式になりました。

卒業生、保護者始め関係の皆様に感謝申し上げます。

校長式辞です。

厳しい寒さがようやく終わり、春の光あふれるこの佳き日に、名古屋経済大学市邨高等学校第114回卒業証書授与式を挙行できますことを心より嬉しく思います。
 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、この晴れの日を心待ちにしておられた保護者の皆様にお祝いを申し上げますと共に、これまでの本校へのご支援に深く感謝申し上げます。
 コロナ禍の卒業式はこれで4回目となりますが、未だに新型コロナウイルス感染症は終息しておりません。今年は、ようやく保護者の方々にご列席いただくことができました。さらに、式場として、改修のため使用できない体育館に代えて、名古屋市公会堂をお借りすることができました。想えば、皆さんが入学したときは、このように全員が一堂に会することができず、クラス毎に教室に集い、放送によって入学式を行いました。その時、私たち教職員にとっての最重要課題はいかにして入学後の「学びを止めない」かにありました。そのためには全員に速やかにiPadを配布し、学習に必要なアプリを使えるようにすることが必要でした。入学式後に直ちにiPadを配り、次の日から全国的に休校となったのですが、あえて臨時出校日として登校してもらい、アカウントの配布やMetaMoji等のアプリを配布したのです。このような先生方の素早い措置と、生徒の皆さんの驚くべき対応力のおかげで、その後のオンライン授業が可能になり、体育などの実技科目を含めた全ての授業と朝のSTやホームルーム、個別懇談までオンラインで行うことができました。全校挙げての協力体制によって、本校は夏休みを短縮することなく、体育祭や文化祭などの学校行事も全て開催し、他校に類を見ない形で「コロナに負けない」学校運営が可能になったのです。特に修学旅行は、延期を繰り返しましたが、学年を3ブロックに分け、9月から10月末までの実施可能な期間を粘り強く探った結果、実現することができました。今でも脳裏に浮かぶのは、鮮やかな紅葉の道を抜けると眼前に迫る噴煙をあげる十勝岳連峰の雄姿です。
 皆さんの学年は決して「コロナ世代」と言われるような何かが失われた世代ではなく、これまでにない世界を経験しそれに耐えて新しい世界を築くという世代だと思います。
 21世紀になって20年が過ぎ、世界の枠組みがさまざまな綻びを見せていたところに突如コロナウイルスが出現し、世界中の人々の日常生活は崩壊しました。さらに、昨年の2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻、ウクライナ戦争によって世界は深刻な危機に直面しています。コロナ禍とウクライナ戦争は時代の流れを無理矢理ねじまげてしまいました。そして、先月6日に起きたトルコ・シリア大地震は、死者が5万人を超え、100万人以上が避難生活を強いられるという未曾有の大災害となっています。私たちが想っているよりも世界はもろく、そして私たちの身近なところに存在しています。世界のどこで起きている危機でも瞬時に我々の危機に繋がっていると感じます。世界はもはやこれまでの日常の延長線上にはありません。そして、世界がこれからどうなるのか、我々はこれからどうすれば良いのか、誰も教えてはくれません。教えることができないのです。未来を生きる若者は自分という視点を持って、自分の力で未来を創り出さなければならないということです。
 不確かな未来は、少しずつ確実にやってきています。昨年の11月にMicrosoft傘下のOpenAI社から発表されたChatGPTという一種の人工知能が注目を浴びています。英語でも日本語でも質問をすれば、答えてくれます。Googleの検索は時代遅れになるといわれています。私たちがいま目にしているのは、「AIが学習し、人間はスマホを見る」という光景です。考えるのはAIで、寸秒も休まずディープラーニングという学習によってあらゆる知識をため込み、人間はそれをスマホで検索するだけというのです。考えるのを止める人々、判断するのは機械という近未来はすぐそこに来ています。このような、AI(人工知能)による私たちへの瞬間的な知識の供給は確実にシンギュラリティへの道を進んでいると言わざるを得ません。それはまさに機械が人間を越えるというシンギュラリティそのものです。その先に待つ未来は幸せな未来でしょうか。
 学校では、このような先が読めない社会で、生徒が変化に対応し、たくましく未来を生き抜く力を身につけてほしいと教えてきました。生徒自身が、歴史的な視点をもって、今何が起こっているのかを正しく認識し、自分の意見を持ち、これからの世界をどう生きるか、自らの未来をどう切り拓いていくかを考える力を育みたいと願ってきたのです。
 皆さんは、市邨高校の授業で、例えば、世界史について調べ、時事問題について意見を述べあい、国語では言葉による表現を身につけ、英語でコミュニケーションすることで異文化を理解し、情報リテラシーを身につけることによって、世界で起きていることを瞬時に知るテクノロジーを習得してきました。学校で学んできたのは、まさに未来に向かう力をつけるためでした。学校での学びは、単に入学試験をクリアするためでなく、未来を切り拓いて生きる力を得るためです。
 市邨芳樹先生は100年前に「学生の勉学は単に試験の為にあらず、智を磨き徳を修むるを楽しむに至りて、最も善く修学の目的を達するを得べし」と言いました。学びの目的は人としての品格を高めるために有り、学ぶことが楽しいと感じる境地に達してほしいと願っていました。
 昨年10月に常滑の国際展示場で開催された”SDGs Aichi Expo2022”という催しで、本校のSDGsボランティア有志メンバーがユネスコ委員会の代表として、愛知県下のユネスコスクール交流会に参加しました。私はその格調高い発表を見、その後のシンポジウムでの信頼感あふれる発言を聞いて、他校の生徒達をリードする市邨生の存在感を感じました。もちろん彼女自身の理性と優しさという個性の表れだったのですが、私には、あの場の雰囲気をリードし、自分たちの活動への信頼感を抱かせたのはまさに市邨精神とSDGsの理念の融合という象徴的な姿だったのではないかと思えたのです。市邨生と市邨の教育活動を誇らしく思った出来事でした。これからの社会は間違いなく君たちの手の中にある、君たちこそ未来の担い手だと信じることができました。
 市邨での学びは、市邨芳樹先生のいう「各自の天禀(てんぴん)に適応し、精励以て特色を発揚し、而して無名の英雄たるに甘んぜよ。」という一節に込められています。市邨での学びは「自分の生まれながらの特性を如何なく発揮し、自分だけが知るかけがえのない努力」そのものだったと言えると思います。その価値はあなた方自身が最もよく分かっているところです。
 市邨精神の大きな柱である、犠牲的精神について、市邨芳樹先生は、「犠牲的精神を以て天職を尽くすと云うこと」がいかに大事かを卒業式のたびに生徒たちに話したといいます。「人生の進むべき道というのは、人の為に尽くすということにある、それがどうしようもなく仕方がないからするのでなく、自ら楽しんで人の為に尽くすことが肝心である」と教えたのです。人の道は犠牲的精神にこそある、見返りを求めず、自ら楽しんで人の為に自分を投げ出そうではないかと呼びかけたのです。
 困難な社会にあって、本校の学校としての使命は、”それぞれの個性を磨き、能力を伸長し、人のために尽くす人物を育成する”ことにあると思っています。
 私は市邨精神に出会い、時代を越えて学校の本質を問い続けるその理念に打たれました。私も君たちと同じくこの3月で市邨を去りますが、市邨精神は常に私たちと共にあると感じています。市邨に学んだことを終生の誇りとして、「終身教育」を全うしようと思います。
  今日君たちは、市邨での学びを胸に、誇りをもって巣立ってください。
結びに、餞(はなむけ)の言葉を送ります。このような世界の秩序が危うくなった、混沌とした時代にあっても通用する言葉です。
「起てよ、憤りを発せよ。有用の人たれ。活舞台に於いて活躍する活人物たれ。世界は我が市場ならずや」

令和五年三月一日

           名古屋経済大学市邨高等学校長  澁谷有人

中学校 合格者登録日

2月18日(土)、市邨中学校では、入学試験の合格者が本校入学のための手続きを行う「合格者登録」が行われました。

通学靴の販売会場の様子

当日は入学を控えた児童と保護者の方にお越しいただき、校長・主任による学校紹介とともに各種説明および書類提出のほか、体操服の採寸や通学靴の販売が行われました。期待に胸を膨らませ、本校への入学を決めた皆さん、3月には入学前の学習会も行われますが、新学期からいいスタートを切ることができるよう、春を待つ間に十分に準備を整えてほしいと思います。

講堂で説明を聞く参加者

皆さん、あらためて合格おめでとうございます!

Ichimura Exhibition Day / Open Dayを開催します!

3月15日(水)、市邨中学・高校の学習成果発表会『Exhibition Day』(高校)・『Open Day』(中学)を開催します!

観覧のお申し込みは以下のリンクから!(専用申し込みサイト「こくちーず」に移行します)

・Exhibition Day(高校生による報告)

・Open Day(中学生による報告)

 

タイムテーブル

8:45 受付開始

9:00~12:30 Exhibition Day

13:30~15:00 Open Day

15:15~17:00 交流分科会(教育関係者・企業関係者向け)

生徒の目標

・Exhibition Day:1年間の学習活動を振り返り、自身が何に興味を持ち、何を学び、どのような研究に取り組んだ結果、何を得ることができたかを、他者に伝える。

・Open Day:1年間の学習活動を通じて、自身が何を学びどのような成長をしたかを振り返り、その成果を他者に伝える。

※分科会では本校教員をファシリテーターとして、参加者の皆さまと教育に関するさまざまなテーマについて意見交換を行います。ご自身が興味関心のあるテーマの会場に移動してご参加いただきます。

※教育関係者・企業関係者の皆さまは、受付で所属とお名前のわかるもの(名刺等)を2枚ご用意ください。