今回は中学校での取り組みをご紹介します。
中学3年生は夏休みの課題の一つとして、俳句の題材探しをしてきました。2学期に入り、国語の授業で俳句の創作に取り組んでいます。
五・七・五の十七音。
一見すると、限られた短い言葉の中で表現する俳句ですが、その短さゆえに、一つひとつの言葉をどのように選ぶかが大きな意味を持ちます。
今回の学習では、単に「五・七・五に合わせて句を作る」ことを目的としているのではありません。
生徒たちは、身の回りの風景や出来事、自分が感じたことに目を向け、そこから「何を俳句にしたいのか」を考えます。そして、使う言葉を選び、語順を変えたり、表現を工夫したりしながら、自分が捉えた一瞬を十七音に凝縮していきます。
「この言葉で、本当に自分の感じたことが伝わるだろうか。」
「別の言葉にすると、どのような印象になるだろう。」
「説明しすぎず、読んだ人に想像してもらうにはどうすればよいだろう。」
こうした問いを繰り返しながら、一つの句を推敲していきます。
また、俳句は一人で完成させて終わるものでもありません。互いの作品を読み合うことで、自分では気づかなかった表現のよさや、同じ風景から生まれる異なる捉え方に出会うことができます。
同じ季節、同じ場所、同じ出来事を題材にしても、できあがる俳句は一人ひとり異なります。
それは、生徒一人ひとりが見ている世界が異なるからです。
俳句の学習を通して目指しているのは、俳句の型や技法を覚えることだけではありません。
「何を感じたのか」
「なぜそう感じたのか」
「それをどのような言葉で表現するのか」
自分の中にある曖昧な感覚を言葉にし、言葉を吟味し、他者の表現に触れながら、さらに自分の表現を磨いていく。
その過程には、国語科で大切にしている「思考すること」と「表現すること」の両方が詰まっています。
十七音という小さな器の中に、生徒たちはどのような世界を描くのでしょうか。
それぞれの感性と工夫が詰まった作品が、どのような俳句に仕上がっていくのか。作品を観るのを楽しみにしています。


