台湾報告レポート3 対面の交流で深まった対話と学び ― 昼食交流と島でのフィールドワーク ―

対面の交流で深まった対話と学び ― 昼食交流と島でのフィールドワーク ―

これまでオンラインで継続的に学び合い、パレスチナの子どもたちへの学校支援、カンボジアの子どもたちへの学校支援、難民女性のフェアトレード支援に、ともに取り組んできた日本と台湾の生徒たちは、午後も対面での交流を深めました。

世界の課題について共に学び、発表するだけでなく、その学びを実際の行動へとつなげてきた生徒たちが、同じ時間と空間を共有しながら対話を重ねることは、本事業ならではの大切な学びの機会となりました。

① 昼食交流 黄埔新村(Huangpu New Village)

午後はまず、黄埔新村(Huangpu New Village)にある日本の歴史的な建物を活用したレストランで、日本と台湾の生徒たちがグループに分かれて昼食交流を行いました。

落ち着いた空間の中で台湾の料理を囲みながら、これまでオンラインでともに学び、支援活動に取り組んできた仲間同士が、対面でゆっくりと言葉を交わす時間となりました。

同じ食卓を囲みながら、互いの考えや日常、これまでの活動について語り合うことは、相手への理解を深めるだけでなく、自分自身の学びを見つめ直す機会にもなります。こうした交流は、ユネスコ憲章第1条が示す、教育・文化を通した諸国民の交流と相互理解の促進にも通じるものです。

また、文部科学省が重視する「主体的・対話的で深い学び」や、文部科学省EDU-Portニッポンが大切にする国境を越えた学びの共有という視点から見ても、意義ある実践の一つといえます。

相手を尊重しながら、自分の思いや考えを伝えようとする姿勢は、言葉の壁を越えて相互理解を築こうとする実践であり、ユネスコ憲章の理念にも通じるものです。

 

こうした経験は、ESDの視点に加え、SEL(社会性と情動の学習)の視点からも大切な学びであり、対話を通して他者を理解し、ともに学ぶ関係を育むことは、生徒たちのウェルビーイングにもつながることが期待されます。

② 島でのフィールドワーク

昼食交流の後、生徒たちは船で旗津(Cijin / Qijin)へ移動し、島でのフィールドワークを行いました。

海を渡って現地を訪れ、ともに歩きながら地域の景観や雰囲気に触れることは、教室の中だけでは得られない学びにつながります。生徒たちは、対話を重ねながら景色を見つめ、地域の歩みや文化に思いを寄せる時間を持ちました。

島内では、旗後砲台(Cihou Fort)へ向かって歩き、山の上から周囲の景色を見渡しました。現地を実際に歩き、自分の目で見て、感じたことを互いに伝え合うことは、知識を覚えるだけではない探究的な学びへとつながります。

異なる文化的背景をもつ生徒同士が、同じ場所で同じ景色を見ながら語り合うことは、相手の見方や感じ方にふれ、自分の考えを深める貴重な機会となりました。

 

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③ 対話と交流が育む学び

午後の活動を通して、生徒たちは、自分の言葉で伝えること、相手の話に耳を傾けること、ともに考えることの大切さをあらためて学びました。その積み重ねは、自分がこの学びの場の一員として役割を果たしているという実感につながり、「自己有用感」を育むことにもつながります。

このような学びは、知識の習得にとどまらず、対話を通して他者を理解し、自らの考えを深めていく「ESDの実践」として捉えることができます。

また、相手を尊重しながら関わり合い、言葉の違いを越えて理解し合おうとする経験は、学校教育における「ウェルビーイング」の向上にも寄与することが期待されます。

本校では今後も、文部科学省EDU-Portニッポン応援プロジェクトのもと、ユネスコ憲章の理念をふまえながら、市邨学園の理念である、慈悲(あたたかい心)忠実(すなおな心)忍耐(くじけない心)の理念に則り、対話と交流を通して世界の課題や多様な文化に向き合う教育実践を積み重ねてまいります。

次回のレポート4では、日本と台湾の生徒たちがこれまでの学びと実践を共有した、国際支援報告シンポジウムの様子をご報告いたします。

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Taiwan Report Meeting Report 3

Dialogue and Learning Deepened Through the Afternoon Program

– Lunch Exchange and a Fieldwork Visit on the Island –

The Japanese and Taiwanese students, who had been learning together online and working side by side on support for Palestinian children’s schools, Cambodian children’s schools, and fair-trade support for refugee women, continued to deepen their face-to-face exchange in the afternoon. For students who have not only studied global issues and given presentations together, but have also connected their learning to concrete action, sharing the same time and space and engaging in direct dialogue became another meaningful opportunity for learning unique to this project.

① Lunch Exchange

The afternoon began with a lunch exchange at a restaurant in Huangpu New Village, a renovated historic building, where Japanese and Taiwanese students were divided into small groups. Over Taiwanese dishes in a calm and welcoming setting, students who had learned together online and collaborated in support activities were able to sit down face to face and talk at length.

Sharing the same table and discussing their thoughts, daily lives, and past activities helped students deepen their understanding of one another while also reflecting on their own learning. Such exchanges are also connected to the spirit of Article 1 of the UNESCO Constitution, which emphasizes promoting exchange and mutual understanding among peoples through education and culture. It can also be seen as a meaningful practice from the perspective of MEXT’s emphasis on “independent, interactive, and deep learning,” as well as EDU-Port Japan’s commitment to sharing learning across borders.

Moreover, the attitude of trying to communicate one’s thoughts and feelings while respecting others represents an effort to build mutual understanding beyond language barriers, and this, too, resonates with the ideals of the UNESCO Constitution.

Such experiences are valuable not only from the perspective of ESD, but also from that of SEL (Social and Emotional Learning). Through dialogue, students learn to understand others and to build relationships in which they can learn together, and this is also expected to contribute to their well-being.

② Fieldwork on the Island

After lunch, the students traveled by boat to Cijin / Qijin and took part in a fieldwork activity on the island. Crossing the sea and walking through the local area together, while experiencing its scenery and atmosphere, offered a kind of learning that cannot be gained in the classroom alone. As they continued their conversations, the students reflected on the landscape before them and considered the culture and history of the area.

On the island, the students walked toward Cihou Fort and looked out over the surrounding scenery from the hilltop. Actually walking through the site, seeing it with their own eyes, and sharing what they felt with one another encouraged a form of inquiry-based learning that goes beyond simply memorizing knowledge. For students from different cultural backgrounds to stand in the same place, look at the same view, and talk together was a valuable opportunity to encounter each other’s perspectives and deepen their own thinking.

③ Learning Fostered Through Dialogue and Exchange

Through the afternoon’s activities, the students once again learned the importance of expressing themselves in their own words, listening carefully to others, and thinking together. These repeated experiences also helped them feel that they each had a role to play as members of this shared learning community, which in turn can nurture a sense of self-worth and personal contribution.

This kind of learning can be understood as an  ESD practice that goes beyond the acquisition of knowledge and instead deepens understanding through dialogue. Experiences of respecting one another, engaging with each other sincerely, and trying to understand one another beyond differences in language can also be expected to contribute to students’  well-being in school education.

In accordance with the ideals of UNESCO, the principles of the UNESCO Constitution, the vision of MEXT’s EDU-Port Japan Support Project, and the founding spirit of Ichimura Gakuen, our school will continue to promote educational practices grounded in dialogue and exchange.

In Report 4, we will share the International Support Report Symposium, where Japanese and Taiwanese students presented the learning and practical activities they have developed together.

台湾報告レポート2 対面で深まった学びと交流(ESD)

― 高雄・黄埔新村(Huangpu New Village)で、歴史と食文化をともに学ぶワークショップ ―

これまでオンラインで継続的に学び合い、パレスチナの学校支援やカンボジアの学校支援にともに取り組んできた日本と台湾の生徒たちは、今回、台湾において対面での交流会を行いました。画面越しに積み重ねてきた対話が、実際に顔を合わせることでさらに深まり、互いの学びや思いを確かめ合う機会となりました。

本事業は、世界の課題について共に学び、発表するだけにとどまらず、その学びを生かして実際の国際支援活動へとつなげてきたところに特色があります。

日本と台湾の生徒たちは、パレスチナの学校支援、カンボジアの学校支援、難民女性支援に向けて、ともに考え、ともに行動しながら学びを重ねてきました。

今回の対面交流もまた、そうした実践の延長線上にあるものであり、異なる文化を学び合い、理解を深めること自体が、ユネスコ憲章第1条に示された、教育・文化を通した諸国民の交流と相互理解の促進、そして平和の基礎を築く営みに通じるものとなっています。

今回のワークショップでは、高雄(Kaohsiung)にある 黄埔新村(Huangpu New Village)を訪れ、日本と台湾の生徒たちが、歴史と文化をともに学ぶ時間を持ちました。

① 歴史を学ぶフィールドワーク

黄埔新村(Huangpu New Village)は、歴史ある眷村文化を感じることのできる場所であるとともに、現在は新たな交流や文化発信の場として親しまれている地域です。

歴史を受け継ぎながら、新しい地域文化の拠点として生まれ変わっているこの場所でのフィールドワークは、生徒たちにとって、過去を学ぶことと、現在の地域の営みを見つめることを結び付けて考える機会となりました。

現地では、日本と台湾の生徒たちがともにまちを歩き、地域に刻まれてきた歴史について学び合いました。説明を受けるだけでなく、ともに見て、ともに考え、ともに語り合うことで、歴史は単なる知識としてではなく、平和や共生を考えるための学びとして受け止められていきました。

異なる地域に生きる生徒たちが、地域の歴史をともに学び合うことは、相手の背景や価値観を理解しようとする姿勢を育み、「人の心の中に平和の砦を築く」というユネスコの理念にも通じる実践の一場面となりました。

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② 食文化を学ぶ交流ワークショップ

この日は、台湾で親しまれている「花巻(Huajuan)」づくりにも一緒に取り組みました。生徒たちは、手のひらサイズの生地を丁寧にねじり、花びらのような形に整えて蒸し上げ、完成したものをともに味わいました。

ともに作り、ともに食べる時間は、言葉だけでは伝えきれない暮らしの知恵や文化の背景にふれる機会となり、互いの日常や価値観への理解を深める温かな交流の場となりました。

このように、今回のワークショップは、地域の歴史を学ぶ活動と、食文化をともに体験する活動の両面から構成されていました。知識として学ぶだけでなく、実際に歩き、見て、作り、味わうことを通して、文化や歴史への理解を深める時間となりました。

インスタグラムの報告(グループワーク)1

インスタグラムの報告(グループワーク)2

このような学びは、知識の習得にとどまらず、対話を通して他者を理解し、自らの考えを深め、実際の行動へとつなげていく「ESDの実践」として捉えることができます。

また、世界を共に学び、共に国際支援に貢献してきた学校の学生たちが、互いの異なる国や文化・相手を尊重しながら協働し取り組む見ながら学び合う関係を築いていく経験は、他者への共感力、より公正な判断を行うといった、ユネスコのSEL(社会性と情動の学習)の視点とも重なります。

今回の交流もまた、相手を理解し、協力しながら学ぶ力を育む機会となりました。

さらに、こうした対面での学びの中で、自分の言葉で伝えること、相手の思いを受け止めること、ともに活動を形にしていくことは、生徒たちの自己有用感を育むうえでも大切です。

自分がこの交流の一員として役割を持ち、仲間とともに学びをつくっていることを実感する経験は、学校教育における「ウェルビーイング」にもつながっていくことが期待されます。

文部科学省が重視する「主体的・対話的で深い学び」、市邨学園の理念である、「あたたかい心(慈悲)」「素直な心(忠実)」「くじけない心(忍耐)」、ユネスコ憲章の「平和の砦」とも響き合いながら、本事業は、対話と交流を基盤として平和と共生を考える学びの姿を具体的に示していきます。

本校では今後も、文部科学省EDU-Portニッポン応援プロジェクトのもと、ユネスコ憲章の理念をふまえながら、対話と交流を通して世界の課題、地域の歴史、文化的背景を結び付けて学ぶ教育実践を積み重ねてまいります。

次回は、午後に行われたフィールドワークの様子について報告いたします。

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本校教員 振り込め詐欺防止で警察より感謝状

このたび、本校教員の松野先生(ユネスコ平和教育推進部主任)が、千種警察署生活安全課より感謝状をいただきました。

本件では、警察の皆様が丁寧かつ迅速に対応してくださり、ご夫婦の安全が守られました。

日頃より地域の安心・安全を支えておられる警察署の皆様に、心より感謝申し上げます。

本校の教員は、生徒とともにユネスコ憲章の理念や市邨学園の建学の精神を学びながら、対話を大切にした国際支援探究活動に取り組んでいます。

本校は今後も、地域とともに歩みながら、生徒一人ひとりが他者を思いやり、主体的に社会に関わる力を育む教育を推進してまいります。

GEG Nagoya × nabari 共催イベント「教育とAI」で本校生徒が発表を行いました

GEG Nagoya と GEG nabari の共催によるイベント「教育とAI AI時代の学びをひらく」が開催され、本校生徒が参加・発表を行いました。

当日は、桜花学園高等学校と本校の生徒が登壇し、日々の学習や学校活動の中でどのように生成AIを活用しているのかについて発表しました。

生徒たちは、探究活動や授業での実践をもとに、生成AIを「答えを得るための道具」としてではなく、考えを広げたり、自分の表現を深めたりするパートナーとして活用していることを、自分自身の言葉で率直に語りました。

発表では、「学習過程でのAIとの対話」「アイデア発想への活用」「表現活動における試行錯誤」など、生徒一人ひとりの実体験に基づいた具体的な実践が紹介され、参加者から大きな関心が寄せられました。

学校や立場を越えて学び合う本イベントは、生徒にとっても、自分たちの学びを社会に向けて発信する貴重な機会となりました。市邨高校では今後も、生徒が主体となって学びを創り、社会とつながる経験を大切にしていきます。

本イベントを企画・運営してくださった皆様、そして温かく耳を傾けてくださった参加者の皆様に心より感謝申し上げます。

名古屋グランパス・アイデアコンテストで本校生徒が最優秀賞を受賞しました

2025年12月20日、愛知東邦大学にて開催された「第6回 名古屋グランパス・アイデアコンテスト」決勝大会において、名古屋経済大学市邨高等学校の生徒チーム「RAFs」が高校生部門で最優秀賞(第1位)を受賞しました。

本コンテストは、Jリーグクラブ「名古屋グランパス」と愛知東邦大学が連携し、社会課題や地域資源をテーマにビジネスアイデアを提案する取り組みです。今年度は「食」をテーマに、大学生・高校生あわせて多数のチームが参加し、書類審査を通過したチームのみが決勝へ進出しました。

高校生部門には愛知県内15チームが参加し、本校チーム「RAFs」は食品ロスという社会課題に着目。特に廃棄量の多い「米」に注目し、ご飯を活用した五平餅をスタジアム向けにアレンジした新たな商品アイデアを提案しました。

串を省いた簡易型の商品設計や、スポーツクラブの発信力を活かした食品ロス削減への社会的インパクトまでを視野に入れた提案は、実現可能性と社会性の両面から高く評価され、見事第1位に選ばれました。

今回の挑戦は、生徒自身が社会の課題を見つめ、自ら問いを立て、解決策を構想し、他者に伝えるという本校の探究的な学びの成果の一つです。発表に向けた調査や試行錯誤の過程を通して、生徒たちは「アイデアを社会につなげる」経験を得ることができました。

加納雄大先生による講話と懇談のつどい 〜日本ユネスコ加盟75周年記念事業〜

高校生によるSDGsグローバル対談 2026.03.04

<市邨学園からのお知らせ>

このたび、市邨学園では、日本のユネスコ加盟75周年を記念し、公開型学習会「高校生によるSDGsグローバル対談 ~加納大使による講話と懇談の集い~」を開催いたします。

ユネスコ憲章前文および第1条には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」「教育・科学・文化を通じて国際の平和と安全を確立する」という理念が掲げられています。本事業は、こうしたユネスコの理念を、次世代を担う高校生および地域の皆様が正しく理解し、自らの価値観として内面化し、主体的なユネスコ活動や社会的実践へとつなげていくことを目的としております。

当日は、ユネスコ日本政府代表部 特命全権大使 加納雄大氏をお迎えし、ユネスコの最新の国際動向、日本の国際的役割、多国間協調の意義などについてご講話をいただきます。あわせて、高校生との対話や質疑応答を通じ、国際社会の課題を自分ごととして考える学びの場を創出いたします。

また、高校生によるユネスコ活動の実践紹介、地域ユネスコ協会による民間ユネスコ運動の取り組み紹介も予定しており、学校教育と社会教育、若者と地域をつなぐ対話の場となることを目指しております。

本事業は、ESD(持続可能な開発のための教育)およびSDGsの推進を柱とし、文部科学省の教育政策、日本ユネスコ国内委員会の理念普及の方針とも整合した取り組みです。

日本ユネスコ加盟75周年という節目に、地域から平和と持続可能な社会づくりを発信する機会となれば幸いです。

申込みはつぎのリンク先からお願いします
申込先 https://forms.office.com/r/X9jmgVrNAK

会場 名古屋経済大学名駅サテライトキャンパス
日時 3月4日(水) 午後1時30分~午後3時

【日時】
2026年3月4日(水)13:30~15:00

【会場】
名古屋経済大学名駅サテライトキャンパス

【対象】
高校生/社会人/中学生/大学生・専門学校生/その他

【参加申込】
https://forms.office.com/r/X9jmgVrNAK

【主催】
市邨学園

【共催】
名古屋経済大学市邨高等学校 ユネスコ平和教育推進部

【お問い合わせ】
名古屋経済大学市邨高等学校 ユネスコ平和教育推進部(主任教諭 松野 至)
E-mail:i.matsuno☆ichimura.ed.jp(☆→半角@マーク)
TEL:052-721-0161

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JICA「特別学校賞」受賞のご報告 ― ESDの視点で未来をひらく、国際協力と探究の学び ―

JICA「特別学校賞」受賞のご報告

― ESDの視点で未来をひらく、国際協力と探究の学び ―

本校がユネスコスクールとして継続的に取り組んできた平和教育・国際協力を柱とするESD(持続可能な開発のための教育)の実践が評価され、このたび 国際協力機構(JICA)より、「特別学校賞」**を受賞しました。

本表彰は、生徒一人ひとりの学びを中心に据え、国際社会が抱える課題に対して、主体的・対話的・探究的に向き合う教育実践を継続してきた点が高く評価されたものです。

本事業の概要と有用性(ESDの実践として)

本事業は、ユネスコ憲章の理念およびESDの考え方を基盤に、「世界で起きている課題を、自分自身の生き方と結び付けて考える力」を育むことを目的として実施してきました。

単なる知識理解や支援活動にとどまらず、学習者が問いを立て、調べ、対話し、考え続ける過程そのものを重視しています。

生徒は、

  • カンボジア学校支援を通して教育格差や学ぶ権利について学び、

  • パレスチナ難民キャンプ学校支援では、紛争下における教育の意義を多面的に理解し、

  • シリア・パレスチナ難民女性支援では、フェアトレードを題材に、経済的自立と尊厳を支える国際協力の在り方を探究してきました。

これらの学びを通して、生徒は他者の立場を想像し、公正な視点で社会課題を捉え、持続可能な社会の担い手として判断する力を育んでいます。

採択・評価実績と外部からの評価

本事業は、これまでにJICAエッセイコンテスト機関長賞をはじめとする生徒個人の成果に加え、学校全体としての取り組みが評価され、今回のJICA特別学校賞の受賞につながりました。

これは、生徒の学びの成果が、学校内にとどまらず、外部機関からもESD実践として認められたことを示すものです。

文部科学省学習指導要領との整合性

本事業は、文部科学省学習指導要領が重視する

  • 「主体的・対話的で深い学び」

  • 思考力・判断力・表現力の育成

  • 社会とつながる探究的な学習

と高い整合性をもって実施されています。
特に「総合的な探究の時間」や「公共」などの教科・領域と連動し、実社会の課題を題材に学びを深めるカリキュラムとして位置付けられています。

未来を切り開く探究活動

本事業は、知識の習得を目的とする従来型の学びから、未来を自ら切り拓く力を育てる学びへと転換し、学習者の心を育む教育活動して、文部科学省EDU-PORT応援プロジェクト採択されています。また、2025 ユネスコ/日本ESD賞国内選考案件として、選考されています。

国際協力や平和、持続可能性といったテーマを通して、生徒は正解のない問いに向き合い、多様な価値観の中で考え続ける姿勢を身に付けています。

おわりに(パートナーへの感謝)

本事業は、本校のみで実現したものではなく、国際協力機構(JICA)はじめ、国内外の教育関係者、国際機関、支援先の現地関係者、地域の皆様、そして保護者・卒業生の皆様との協働によって支えられてきました。
ここに、心より感謝申し上げます。

市邨高校ユネスコ平和教育推進部 主任 松野至

JICAエッセイコンテスト「機関長賞」受賞のご報告 ― ESDの視点で世界と向き合う、探究の学び ―

JICAエッセイコンテスト「機関長賞」受賞のご報告

― ESDの視点で世界と向き合う、探究の学び ―

本校で継続して取り組んでいるユネスコ平和教育・ESD(持続可能な開発のための教育)を柱とする国際協力事業に参加した生徒が、国際協力機構(JICA)エッセイコンテストに応募し、このたび機関長賞を受賞しました。
これを受け、JICA中部所長が来校され、校内にて表彰式が行われました。

ESDとしての本事業の位置づけ

本事業は、ユネスコスクールとしての実践を基盤に、文部科学省学習指導要領が重視する「主体的・対話的で深い学び」を具現化するESD実践です。
世界で起きている紛争、貧困、難民問題といった地球規模課題を、知識として理解するだけでなく、「自分はどのように社会と関わり、どのような未来を選び取るのか」という問いとして捉え直すことを目的としています。

生徒は、カンボジア学校支援を通じて教育環境の格差について学び、カンボジア学校支援に取り組みました。

パレスチナ難民キャンプ学校支援では、学ぶ権利が脅かされている現状を現地の声や資料から多面的に理解してきました。

また、シリアおよびパレスチナ難民女性支援では、フェアトレードを題材に、経済的自立と尊厳を支える国際協力の在り方について探究しています。

これらの学びは、特定の立場や主張に立つものではなく、国際社会の課題を多角的に捉え、公正に考え、持続可能な社会の担い手として判断する力を育むことを重視しています。

受賞エッセイの内容と学びの深まり

受賞した出口さんのエッセイは、こうしたESDの学びを土台に、国際協力の現場で起きている現実を自分自身の問題として捉え直した内容となっています。
支援活動や探究学習を通して得た知識や経験を整理し、「相手を知ろうとすること」「想像力をもって考えること」の大切さを、自らの言葉で丁寧に表現しました。

また、昨年度に実施した「市邨高校 難民支援の夕べ」において公開上映した、文部科学省選定映画 わたしは憎まない にも触れています。本作品は、深い対立と悲しみの中にあっても、憎しみではなく人間の尊厳と対話を選び続ける姿を描き、「暴力の連鎖を断ち切るために、私たちは何を選択するのか」という問いを投げかけるものです。

出口さんはこの映画から、誰かを単純に断罪するのではなく、命の重さや人の心に目を向け続ける姿勢を学び取り、これまでの国際協力の探究と結び付けて考察を深めています。

こうした学びは、ユネスコ憲章前文に示される「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という理念とも重なります。

エッセイは、映像教材・体験的学習・探究活動を通して育まれた思考力・判断力・表現力の成果として、高く評価されました。

学びの成果としての外部評価

今回の受賞は、個人の成果であると同時に、本校がESDの視点から積み重ねてきた教育実践が、外部機関によって評価されたものでもあります。

生徒が社会課題を自分事として捉え、対話を重ねながら考え続ける姿勢は、これからの社会を支える市民としての基礎的な力につながるものです。

おわりに(パートナーへの感謝)

本事業は、本校のみで実現したものではなく、多くのパートナーの皆様との連携によって支えられています。
国際協力機構(JICA)をはじめ、国内外の教育関係者、国際機関、支援先の現地関係者、地域の皆様、そして日頃より本校の教育活動をご理解・ご支援くださっている保護者・卒業生の皆様に、心より感謝申し上げます。

今後も本校では、ESDの視点を大切にしながら、パートナーの皆様と共に、生徒一人ひとりが公正で持続可能な社会の担い手として成長していける教育実践を継続してまいります。

ユネスコ平和教育推進部主任 松野至

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国連UNRWAより感謝状 末岡理事長先生へご報告 〜台湾・日本でのESD活動〜

UNRWA 感謝状

本校ユネスコスクールの平和教育・国際協力の取り組みに対し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)より感謝状を拝受いたしました。本事業が目指してきた「教育を通して平和を育む」という歩みが、国際機関の理念とも重なり合ったことを示すものとして、重く受け止めています。

本事業は、ユネスコ憲章前文に示される「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という理念を教育の軸に、生徒一人ひとりが世界の課題を自分ごととして捉え、対話と協働を通して社会に参画する力を育むことを目的として継続してきました。

これまで、台湾・韓国・カンボジアなどのユネスコスクール、国際機関、大学、地域団体と連携し、パレスチナ難民学校支援、カンボジア学校支援、シリア・パレスチナ難民女性のフェアトレード支援など、実社会とつながる学習を積み重ねてきました。生徒たちは、現地の声や専門家の知見に触れながら、歴史的背景や社会構造を学び、支援の意味や持続性について対話を重ねています。

日本と台湾の教員・生徒が教育課程や学習目標を共有し、共同で授業設計や探究活動を行う取り組みも本事業の特徴です。異なる教育制度や文化を学び合うことで、学びの質が高まり、生徒の視野が大きく広がっています。こうした国際協働の学びは、主体的に考え行動する力、他者と協働する力、社会課題に向き合う態度の育成につながっています。

これらの実践を通して、生徒の自己肯定感や社会参画意識の向上、進学後の学びへの意欲の深化といった変容が確認されており、卒業後も国際理解・社会貢献に関わる学びを継続する生徒が増えています。また、本事業は文部科学省EDU-PORT事業への採択、日本ESD大賞(団体・個人)受賞、大学主催SDGsコンテストでの評価など、教育的価値について外部からの検証も受けてきました。

今回のUNRWAからの感謝状は、特定の成果を誇るものではなく、国内外の教育機関・支援団体・地域の皆さま、そして学びに真摯に向き合ってきた生徒一人ひとりとの協働の積み重ねが、国際社会の課題と静かに接続していたことを確認する機会であると受け止めています。

世界各地で紛争や分断が続く中、教育の役割はますます重要になっています。本校では今後も、ユネスコスクールとしての使命を大切にしながら、対話と協働を基盤としたESD・平和教育を継続し、持続可能で公正な社会の実現に向けた学びを、地域および世界とともに深めてまいります。

市邨高校ユネスコ平和教育推進部主任 松野至

カンボジア教育省より感謝状を拝受 〜台湾と日本の学生による学校支援〜

国際協働によるユネスコ平和教育の取り組み

本校が継続して取り組んでいるユネスコスクールの国際協力・平和教育活動に対し、このたびカンボジア王国教育・青年・スポーツ省より、本事業に取り組む学校で感謝状を頂戴いたしました。

長年にわたる教育交流および学校支援の取り組みが評価されたものであり、関係するすべての生徒、教職員、国内外のパートナーの皆様と、この喜びを分かち合いたいと考えております。

本事業は、ユネスコ憲章前文に掲げられた「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という理念を教育の軸に、国境を越えた対話と協働を通して、相互理解と平和的価値観を育むことを目的として実施してきました。日本・台湾・韓国・カンボジアなどの学校が連携し、難民支援、フェアトレード学習、学校支援、オンライン交流などを通じて、生徒が世界の課題を自分ごととして捉え、行動につなげる学びを重ねています。

2025年度には、JICA海外協力隊員の皆様と連携し、カンボジアの幼稚園への教育環境支援を計画・準備してまいりました。子どもたちの学びの環境を整え、安心して成長できる場を支えることは、将来の平和と社会の安定につながる大切な取り組みです。

しかしながら、現地の安全状況を最優先に考慮した結果、現地への立ち入りが困難となり、やむを得ず2025贈呈式の実施を見合わせる判断となりました。(プノンペンにて待機ののちトゥールスレン虐殺資料館学習会を実施)

このような状況においても、私たちは「安全を最優先にすること」「対話と理解を重ね続けること」「教育を通じて人と人の信頼関係を育てること」を大切にしながら、遠隔での交流や学習、継続的な支援のあり方を模索し続けています。

困難な状況下にあっても、教育の力によって人と社会をつなぎ、未来への希望を育む姿勢そのものが、ユネスコの理念に基づく平和教育の価値であると考えています。

今回、カンボジア教育省より感謝状を受領しましたことは、みなさまとの学習、国際貢献ボランティア教育活動が、一過性の支援ではなく、相互理解と信頼を土台とした継続的な教育協力として評価された証であり、大きな励みとなりました。

同時に、国や立場の違いを超えて、教育を通じて平和と持続可能な社会の実現に貢献する責任を、あらためて感じています。

今後も本校は、関係機関・パートナーの皆様と連携しながら、生徒一人ひとりが世界の課題に向き合い、対話と協働によってより良い未来を築く力を育むユネスコスクールとしての実践を、着実に進めてまいります。

市邨高校ユネスコ平和教育推進部