第3回「学びを変えるICT・いちむら事例報告会」を開催しました

8月26日(金)、午前9時から、第3回「学びを変えるICT・いちむら事例報告会」が開催されました。

夏休みも終盤でしたが、公立や私立の中学・高校の先生方が50名参加されました。そしてご多忙の中、愛知県議会議員の先生方30名が参加されました。本校の教員を合わせ100名ほどの報告会でした。

プログラムです。自由に講座を選びます。

会の趣旨は

日本にとってICT教育の必要性は明らかでした。しかし、コロナ禍で全国の学校が臨時休校になるまで、どの学校も喫緊の課題とは考えていませんでした。でもその時、市邨ではすでに動き出していました。3年前から配備している一人一台のiPadのお陰で、臨時休校になっても授業を止めることはありませんでした。

その成果を多くの学校と共有するために、2020年12月に第1回目の事例報告会を開きました。タブレットをどのように活用しているかを共有したかったのです。しかし、参加された多くの先生方の関心は、持ち帰らせるのか、充電はどうするといった機器管理の面でした。昨年開催した第2回では、授業にどのように活用するかを話題にしたかったのですが、関心は生徒の出欠の管理やキーボードを持たせるかどうかといった授業運用の話でした。

この第3回では、「学びを変えるICT」という表題のとおり、どのようにICTが学びを変えるのかについて、実際にどのような学びが実現できているかを話題の中心とすることができました。

話題は、

タブレット端末は文房具にすぎません。つまり、ICTは学びの主役ではありません。しかし、それを活かすことによって今までにない生徒の活動を創り出すことができます。生徒が主役になる教育にタブレットは欠かせません。それはなぜなのか、本校の6年間で気づいたことや、参加された学校での日々の活用から気づいたことを情報共有することができました。

        • 授業のなかでICT機器を活用した授業の実践例をたくさん紹介してもらえて、とてもイメージがしやすく、今後の自分の授業に取り入れていく良い参考になった。(国語)
国語科
 
 
 
 
 
        • 予習をして,生徒の状況をもとに授業をされ,かつ学びあいを大事にされている点が強く印象に残りました。生徒からすれば,予習は大変だと思いますが,楽しく授業を受けているように感じました。(数学)

      • 先進校でICT活用がどんどん「こなれて」いく様子が伝わってくるレポートでした。(英語)
英語科
      • 授業のデザインの仕方がとても参考になりました。(理科)
理科
      • 生徒が主体的に学ぶ姿を見せていただき、ただ知識を増やすことでははなく、得た知識を活かして議論したり、問題解決しようとする姿勢を養うことが大切なことだと思いました。(社会)

        社会科(地歴公民科)
      • 若い先生の発表でしたが、とても立派に発表していました。本校も見習いたいと思いました。(保健体育、家庭科)

市邨では、Teaching から Learning へ というスローガンを掲げ、教員主導の講義スタイルから生徒が主役となる探究型の授業に変わっています。今年の主張は、Student-Centered Learning です。生徒からの発表を設定したところ、多くの反響を得ました。

      • 実際の生徒さんの感じている事が聞けて良かった。
      • 1年生でありながら堂々と発表する姿は立派に思いました。生徒の素直な意見も聞けて新鮮でした。(生徒発表)

        生徒発表
      • さまざまなICT技術者と連携し、競合他社のアプリなども複合的に使われているなど工夫をされてシステムを作り上げていらっしゃる感服いたしました。(セキュリティ)

本校がお世話になっているICT教材関連の企業の方々にも参加いただきました。市邨で採用している様々なアプリや、ネットワーク回線の維持管理、入試管理システムやネット出願など生徒募集におけるICT、システム管理委員会の組織運用など、多くの課題があります。

今回の事例報告会ではじっくりと、日本の未来を切り拓く新しい学びについて話をすることができました。

 

2学期始業式を行いました

夏休みが終わり、2学期を迎えました。9月になっても天候が不安定です。全校がグランドに集まるのを避けて、各教室で放送にて始業式を行いました。

初めに校歌を流しましたが、斉唱はせず聴くだけです。せめて、3番まですべて流しました。生徒の心に響いてくれたと思います。

式の後は続いて、圧巻の全国大会報告会を行いました。

校長式辞

おはようございます。

今日から2学期が始まります。長い夏休みは終わりました。

今年の夏の天候は、7月から猛暑が続き、8月初めには雨の日が続き、たまには真夏の太陽が照り付ける日もありました今は暑さは終盤に来ているかな、という感じです。

天候以上に悩まされたのは、3年目の今年も新型コロナです。休み中も感染が続きました。1学期中よりも多い数でした。ほとんどが感染経路不明ですが、わかっているものは家庭内感染がほとんどでした。感染した人の症状は重症化した人はいないのですが、やはり後遺症が気になっている人もいるようです。感染力が強いが、重症化はしないだろうということでつい警戒を怠りがちになりそうですが、軽く見ることはできません。学校としては、夏休み中はこの程度で済んだけれども、2学期が始まり1,500人の生徒が出校してくることを考えると、これまでの対策を継続していかなくてはならないと考えています。

2学期も対策を続ける必要があります。3密を避ける、屋外で運動するとき以外はマスクをつける、手指の消毒を怠らない、向かい合っての食事はしない、大声で話をしないなどです。よく、廊下などで肩を組んで歩いたり、歓声を挙げてはしゃいでいる光景を目にすることがありますが、やめましょう。周囲が注意してください。学校内での感染を避けるようにみんなで気を付けたいと思います。

そして、一方では、感染した人への配慮を忘れてはなりません。感染したことは非難されることではありません。できるだけの対策をしても感染するリスクがあり、いつでも自分も感染する可能性があります。陽性になったかどうかは高度なプライバシーです。学校では感染を広げないために、一定の情報を明らかにする必要はありますが、必要以上のプライバシーの公開はしないようにしています。皆さんも感染者の情報を探り合うのはやめてください。

 

きょう、皆さんは学校に出かけるのが億劫ではありませんでしたか。

夏休みが終わりに近づくと、何となくわびしい気持ちになったり、憂鬱な気持ちになったりしたのではないかと思います。

理由は一杯あるでしょうね。学校は嫌じゃないけど、嫌な勉強が始まる、テストが嫌だとか、人にあって人に合わせなければならないのがいや、嫌な人に会いたくない、人に会うのが怖いという人もいるかもしれません。

それとも、そもそも学校が嫌かもしれません。何のために学校があるのかわからないとか、今の学校が気に入らないとか、ネガティブな感覚が湧いてくる時かもしれません。

その様な嫌な感じ、抑うつ感ともいうようなやるせない気持ちが高まってきて、学校に行きたくない、あるいは、さらに、生きるのも嫌になる人がいるかもしれません。

人の命ほど尊いものはこの世にないのです。学校に来るのは嫌でも、生きることを嫌にならないでください。学校は人生の中のほんの一つのことです。学校に行けないからと言って人生が終わりではありません。今現在、嫌なこと、困ったこと、生きるのが困難になったと思えることがあったとしても、それを避けても生きる生き方はあるはずです。どのような生き方があるのかを一緒に考えたいと思います。私自身高校生の時、学校は何のためにあるんだと、真剣に考えていました。学校に行くことにどんな意味があるのか、勉強することに何の意味があるのかと。

 

逆に、学校に来ているからいいというわけではありません。学校に来ることが大事なのではありません。市邨芳樹先生の言葉にもある、勉強するのはいい成績を取るためにするのではないというように、学校もいい学校に入って、次のいい学校に入るために来ているのではありません。学校に行けば勉強していることになるし、みんな学校に行くから、嫌でも嫌でなくても学校に行くのが普通だから、でもありません。

 

私は、学校がそこにいるだけで楽しいという場所であってほしいと思います。今ここにいることが楽しい、ここにいることが自分の未来に繋がっていくからもっと楽しいと、そういう場でありたいと思います。学校は、より良き未来を生きるために、準備するところでもあります。準備がうまく行かなくても、準備なのですから幾らでもトライすればいいのです。今うまく行かないから未来がないということではありません。ゆっくりと自分なりの時間を掛ければいいのです。

いまやりたいことをやりなさい。あるいは、やりたいことを見つけなさい。そのために何度失敗してもいい。やり直す時間はいくらでもある。中学3年間、高校3年間はあっという間ですが、その後に続く君たちの時間はその2、30倍も長い。

 

さてこの夏、君たちには多くの体験活動の機会がありました。

中学12年生はイングリッシュキャンプで貴重な瞬間を過ごしました。インターンシップに参加した人は貴重な体験ができたと思います。レポートを読みました。カンボジアの村に手洗い場を贈る取組や高校生ボランティアアワードでの国境なき医師団賞の受賞など、継続したボランティア活動、あるいはユネスコ委員会での台湾の高校生との交流、核融合科学研究所での研修など、先日行われた夏の学校見学会でのボランティアを引き受けてくれた人も貴重な体験だったと思います。

そして、部活動の練習や大会での活躍があります。部活動の活躍については、この後の全国大会報告会で紹介があると思います。インターハイでシングルス優勝、ダブルス準優勝の女子テニス部、体操部の団体準優勝と個人種目別での優勝始め、ハンドボール部の準優勝など大活躍でした。

本校のホームページにはそのような活動についての詳しい報告が載っていますので、ぜひ見てください。自分が関係したイベントはもちろんですが、知らないところで多くの同窓生たちが積極的に活動していることを知ることは大きな刺激になることと思います。

 

2学期は長いです。でも、充実した自分の時間を過ごせば、あっという間です。

文化祭や中学修学旅行といった学校行事に向けての活動は、コロナ対策をしながら以前のように進んでいくと思います。高校3年生は進路決定に向けて大きく前進するでしょう。

一学期にいくつかのアンケート調査をしました。授業アンケートや学校生活アンケートなど、それらを通じてできるだけ生徒の皆さんの意見や要望を聞きたいと思います。1年生は授業以外の場で直接先生に意見を伝える場があります。学校の主役は君たち生徒です。自ら考え、自ら行動することが大事です。そのための力を付けていってください。先生を動かしてください。どうせできないと先読みをするのでなく、積極的にぶつかってください。先生方は正面から受け止めてくれるはずです。

アンケートはそのような機会を先生方が作ったものです。回答率が90%を超えないのが残念です。

7月の探究学習日に1年生の生徒が自ら企画して、名古屋市の河村市長を訪ねました。どのような人生を歩んでこられたのかを尋ねたのですが、その時逆に君はどのようなことがしたいのかを尋ねられて「宇宙の勉強がしたい」と答えたところ、では、名古屋市立大学の理事長さんを紹介しようということになって、いま、名古屋市立大学と私立である本校がどのような連携ができるかを話し合うことになっています。

このように、君たちが意思をもって動けば、現状を打開できる力が生まれます。

どうか、自ら考え、自ら行動してください。

 

最後に、夏休み中に234号館の教室のカーテンを取り替えました。前半分が遮光カーテンとなっています。無理に引っ張ったりせず、大事に使ってください。冬休みには、記念体育館の改修工事を予定しています。その準備のための工事が二学期に始まります。良くなった環境の中でしっかりと勉強してください。

 

それでは、2学期が始まります、目標をもって、充実した学校生活を送ってください。

1学期終業式を行いました

昨日の大雨がようやく止んで、夏の空になりました。

終業式は、全員集合したかったのですが、グランドコンディションが悪く、昨年と同様、放送により教室で行うことになりました。せめて校歌は三番まで演奏しました。

おはようございます。

今年も天候が不順で、全校生徒が集合する形で1学期の終業式を行うことができません。放送による式となりますが、一体感を持って1学期を終えたいと思います。 

「行く川のながれは絕えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。」これは、鎌倉時代初期の随筆で鴨長明作「方丈記」の冒頭の一節です。 「川の流れはたえることなく、それでいて流れる水は元の水ではない。川のよどみに浮かぶ泡は消えたと思うとまたできて、長くとどまっていることはない。」という意味でしょうか。

私はこの本に高校1年生の時に出会いました。夏休みの読書課題として与えられました。後でわかりましたが、先生方は日本人として身に付けるべき教養を高校生のうちに叩き込むべきだと考えていたのです。もちろん日本の古典だけでなく、ヘミングウェイの短編など英語版で指定されました。宿題ですから、自分で読みたいわけじゃない、与えらえたものだし、やらなければならないからやるっていうものなので、英語と国語、特に古典の苦手な私としては、古典の購読という課題は嫌だなという感情しかなかった。でもこの本は岩波文庫でページ数は3~40ページほどの薄い本でした。楽勝と思って、つい後回しにしておきました。そうするとどうなるかは皆さんが想像するとおり、夏休みもあと数日というときになって読まずに残っていました。大慌てで読み始めて、そしてはまってしまった。作者は鎌倉時代の鴨長明という歌人です。かれは、人の世の無常を感じて出家し、遁世した人です。その無常観にやられてしまった。明日をも知れないこの世の中で、安定した人生を目指してどうなるんだ、勉強してどうなるんだ、人は何のために生きるのか、・・・。高校生の心を鋭く刺したんですね、「方丈記」が。

近頃になって、この方丈記の一節をしばしば聞くようになりました。評論家たちが、先の見えない未来、落日の日本を800年前のこの文章に見つけたのだと思います。あれだけ栄えてきた平安京の都が、五つの災害によって崩壊していく様を見、自らの人生を冷徹に見た鴨長明が生きた時代と、Japan as no.1 と言われ、世界第2位の経済的繁栄を誇った日本が今や他のアジアの国々においていかれようとしている時代を重ねているのだと思います。

私たち人間は時代に流され、自然の大きな力に翻弄されて生きていくちっぽけな存在ですが、そのちっぽけな私たちの生き方の一つ一つが時代の流れを作っていくものだとも言えます。

おそらく勉強というのは、大きな世界の流れの中で、自分の人生を作っていくための力になるもので、特にこの中学、高校時代の多様な学びが人生の方向を決定づける大きな意味を持つのだと思います。単に難関大学の入試をクリアする成績を得るためでなく、自分の人生を自分で選ぶための大きな力を付けるための勉強であってほしいと思います。

50年前に高校生だった私は、やがて来る騒乱の時代を感じつつ、インターハイを目指してヨット部という部活動一筋に過ごしました。勉強しなければ、自分の未来は切り拓けないと思ったのは、方丈記を読んでからでした。無常観に打たれ、共感しつつも、自分の未来を信じようと思ったのですから、矛盾しています。  若かったということでしょう。

明日から始まるあなたたちの夏休みは、そのような人生を左右する学びができるときです。1学期につかみかけた探究学習への取り組みを、より深くより強力に進めてほしいと思います。授業では得られない学びを自分が計画し自分が目標を立てて追究してください。学びを止めてはいけません。部活動を頑張ることも学びですし、旅行などの体験をすることも学びです。また、本を読むことも大きな学びです。私が高校時代に方丈記に出会ったように、君たちも人生を左右する本に出合うよう願っています。

私の高校時代と大きく違うことは、今はコロナの時代だということです。第7波が来ています。三密なところは避けましょう。太陽と共に起きて、夜は早く寝て睡眠時間を十分に取りましょう。食事をきちんと摂り、生活のリズムを整え、万全の体調を維持しましょう。免疫力を高め、ウイルスにかかりにくくするためです。

そして、熱中症対策を忘れないように。

学校からの連絡が、iPadを通して伝えられます。あるいは、HPで、その中の学内のページを注意してください。

9月1日には、全員元気に2学期を迎えましょう。

今日は、市邨学園の創立記念日です

5月3日は市邨学園の創立記念日です。

この日は後に、憲法記念日と重なることになったため、祝日になりました。

そのため毎年その前の登校日の朝、全校放送をして全校で創立記念日を祝うことにしています。

校長挨拶です。

おはようございます。

 あっという間に一月が過ぎました。コロナに負けない、学びを止めないという方針の下、オリエンテーション合宿、校外学習、遠足を行いました。学校を離れて、友達と一緒に自然体験をする中で、市邨生としてのアイデンティティーが形成されていくと思います。

明日5月3日は、市邨学園の創立記念日です。

本校は、115年前の1907年(明治40年)に市邨芳樹先生によって創立されました。この日に布池町の市邨先生の自宅で入学式が行われ、5月8日から下竪杉(しもたてすぎの)町の仮校舎で授業が始まりました。名古屋女子商業学校の始まりです。入学生は26名だったそうです。

そのころは、義務教育が4年から6年に拡大された頃で、中学校は男子だけが通うことができました。女子が学校に通うということは当たり前ではありませんでした。当時、名古屋商業学校(いまのCA)の校長をしていた市邨芳樹先生は、これからの日本の発展のためには男子だけではなく女子にも商業教育が必要だという先進的な考えのもと、自ら出資して名古屋女子商業学校を設立したのです。ですから、CAに対して、GCAと名乗りました。GirlsのGを付けたのですね。それが今の市邨高校・中学校の始まりです。その建学の精神は、「一に人物、二に伎倆」で、CAも同じ校訓を掲げています。その先進性を持って、社会を牽引していくという姿勢がいまも市邨に息づいているのです。

 

5月3日というと憲法記念日に重なりますが、憲法が制定されたのは、第2次大戦後の1947年のことですから、ずっと後のことです。

 

本校が、現在の地に移ったのは、戦争後の1954年(昭和29年)のこと、そして、男女共学になったのは2002年(平成14年)です。この時、商業科を廃止して、普通科となりました。校名が現在の、名古屋経済大学市邨中学校・高等学校になったのもこの時で、制服も新しくなり、校歌も現在の校歌が制定されました。現在の制服は2017年に、伝統の臙脂色を復活させたうえ、最新の素材と斬新なデザインを採用したものです。現在も進行中である学校改革の一環として制定したもので、チャレンジを続ける伝統校にふさわしいものとなっています。

 

 市邨学園は、創立以来、時代の動きを先取りする先進的な学校教育を行ってきました。私たちは、この歴史と伝統を受け継ぎながら、チャレンジを続けていきたいと思います。現在も市邨は、実用的なICT教育環境を整え、生徒一人一台のiPadを活用して、他校に先駆けて、生徒を主役とする新しい教育にチャレンジしています。

 生徒の皆さんが、このような世界的な危機の中にあっても、市邨生としてのアイデンティティーを大切にして、誇りを持って、学び続けるよう期待しています。

 

 本校では、創立記念日にあたって、毎年、市邨の建学の精神を体し、人物・学業にすぐれた生徒に「市邨賞」を贈って、その努力をたたえ、表彰しています。今年は、高校からは、本田茜(ほんだあかね)さん、中学は鈴木宙(すずきそら)さんが選ばれ、5月10日に表彰式を行います。これを励みにして、生徒の皆さんが建学の精神を受け継いで努力して欲しいと思います。

 

 今年で創立116年目になります。さらに新しい「これからIchimura」を作りましょう。

 

 

令和4年度入学式を行いました

連日の晴天に恵まれ、9時30より、本校記念体育館にて令和4年度入学式が行われました。

コロナ禍にあって、各家庭1名までの参列に制限せざるを得ず、式後のHRは生徒とは別室で行うという制約の中での入学式でした。

初めて聞く校歌に真剣に耳を傾ける新入生が印象的でした。良い学年になりそうな予感がしました。

 

 

 

 

校長式辞です。

桜の花は満開を過ぎ、柔らかな木々の緑が萌えるこの春の日に、令和4年度名古屋経済大学市邨中学校・高等学校入学式を挙行できますことを心より嬉しく思います。
 本日ここに、中学校77名、高等学校473名の入学を許可するにあたり、これからの3年間あるいは6年間にわたって、互いに敬い、互いに励まし合って、共に夢を追いかける仲間になって欲しいと願います。
 新型コロナウィルス感染症の第6波が今だ収まらず、オミクロン株はしぶとくその勢いを保っています。密集することを避けるために、ご家族の参列を制限せざるを得ませんでした。申し訳なく思います。
 あらためて、新入生の皆さん入学おめでとうございます。そして、この日を心待ちにしておられたご家族の皆様にお祝いと感謝を申し上げます。
 さあ今日からいよいよ始まると、初々しい気持ちで校門をくぐられたと思います。一方では、前の夜に新しい教科書を手にして、分厚いな、字が小さくなったな、大丈夫かなやって行けるかな、という不安な気持ちを抱いた人もいると思います。
 大丈夫です。市邨は優しく包み込んでみんなで共に進んでいく、そんな学校です。安心して一緒に行きましょう。
 「コロナを乗り越えて、新しいいちむらが始まる」と、学校案内のパンフレットで宣言しました。
 市邨高校・中学校は今年で創設116年目を迎えます。そのような長い伝統を受け継ぐ学校が「新しいいちむら」とあえて言うのは、「学校が変わらなければ、日本の未来は危うい」と考えるからです。世界は大きく変わろうとしています。いや、変わってしまっています。新型コロナウィルス感染症のせいだけではありません。百年に一度という規模のこの感染症が、社会や経済にどのような傷跡を残すことになるのか、ましてや10年後の未来がどうなるのか、予測できません。コロナ禍がなくても、ネット社会の進展やAI;人工知能の発展は産業構造の転換をもたらし、新たな職業が生み出され、一方では今ある職業がなくなり、雇用形態や働き方も大きく変わり、これまでとは違うLife-Designが必要になっています。そんな中、冷戦終結後の世界のひずみが一挙に噴出した形でウクライナ戦争が始まりました。これまでの世界の枠組みを壊そうという動きは、核戦争の危機をも孕んで、否応なしに政治や経済や社会構造を一変させようとしています。民主主義や資本主義といった枠組みが変わり、思想や世界観が変わろうとする中で、人々はどのように変わっていくのでしょうか。
 未来を生きる若者たちには、そのような時代の変化の中でも、たくましく生きる力が求められます。

 そのような未来を生きるためのツールは、一つはICT教育で培われる技術です。本校では全校どこでもインターネットに繋がる全校無線LAN環境があり、一人一台のタブレット端末iPadを配布し、最先端アプリを導入して、考える文房具として使っています。それらを活用することで得られるICT能力が未来を生きるツールです。コロナ禍でも、オンラインの授業は当たり前、臨時休校でも学級閉鎖でも学びを止めることはなく、夏休みは短縮せず、全ての学校行事を実施することができたのはICT活用能力のお陰です。
 更に重要な未来を生きるツールは、自ら考える力です。”TeachingからLearningへ”というスローガンは、先生主体の授業から、「生徒を主体とする学び」への転換を進めようという主張です。授業が単なる知識の伝達の場でなく、生徒が自分の頭で考え、自分で気づき理解するという場面を作りたいと考えています。授業では、生徒と生徒が話し合い、先生と生徒が話し合い、自分の考えを全体に伝えるためにどのように表現すればよいかを考える。それが、深い学びに繋がるというのが、新しい学習指導要領で求められる「主体的・対話的で深い学び」です。そのような授業では、正解を求めるのでなく、どのように考えるかに重点を置き、友達の考え方を知り、自分の考えを表現することを狙いとします。
 つまり、生徒に教え込むことは最小にして、生徒の好奇心を刺激し探究心を喚起する授業に変わります。生徒の学びの時間は授業だけではなく、むしろ授業の外で学びは発展します。先生は生徒に寄り添い、一人ひとりに最適な学びを実現するために、授業時間を減らします。大切なのは、生徒の中に自然に湧きおこる好奇心を授業の内と外でいかに成長させるかです。
 高校での新しい授業がどのように展開されるかを少しお話ししましょう。本校の中学校ではすでに学校が設定する教科「未来」の中で形を変えて取り組まれていることです。そこでは、タブレット端末が駆使されています。
 まず、 Global Competence Programでは、「自分とは何か」を考え、自分を発見し、他者を尊重する「心を育てる」。この授業は、native のfacilitatorによってAll English で行われます。言語力を鍛え、論理的な思考を育てる「言語力・論理力」の時間では「言葉を育て」ます。そして「言葉があなたを作ります」。また、全ての授業で探究に繋がる活動を展開します。授業はどのコースも3時に終わります。そこからが自分の勉強です。放課後の学びと呼んでいます。通称「学びカフェ」です。 授業中に分からなかったことやもっと深めたいことに自分で取り組む「スタディカフェ」、先生が問題提起して生徒が集う「市っちゃんカフェ」、外部の指導を受けて、(一例として、AIが課題をプログラムするatama+を使う講座もある)じっくり学習に取り組む「じっくりカフェ」、社会人講師を招いてSDGsなどに取り組む「ウェルカムカフェ」など、自分が動いて、自分の学びを創る時間です。もちろん、この時間を利用して部活動に参加することもできます。この時間をどう過ごすかで3年間の君たちの成長が決まるといっても過言ではありません。このような多様な学びを支えるのが、「まなびサポーター」と呼ばれる先生方です。自分の学習について相談したり、悩みを相談することもできます。クラス担任とは別です。自分で自分の先生を選びます。これらの新しい取り組みは、すべて「生徒が主体となって、自ら考え、自ら行動する力を養う」という教育目標を具現化するものです。 
 新入生の皆さんにとって、これまで、学習=勉強とは、学校であれ塾であれ、先生がいて、先生の言うこと、あるいは教科書に書いてあることを出来るだけたくさん覚えることだったのではないでしょうか。なぜそうなるのかと考えるより、そうなっていることを覚えることが勉強だと思っていませんか。「正しい」と先生が言うことを、つまり正解を覚えることが勉強であると思っていませんか。覚えた知識の量が学力であると思っていませんか。試験とは、その覚えた正解をはき出して学力を測ることで、その試験対策が勉強だというイメージがありませんか。そういう学力は今の社会でも既に通用しません。ましてや、曲がり角を曲がってしまった新しい世界では通用しない力です。
 今まで見たことの無い、正解のない課題を解決する力となるのは、自ら考える力です。学びのきっかけは様々な経験や体験です。社会や自然の様々な現象に興味を持ち、好奇心が湧いてきて、知りたい、わかりたいという学びの原動力が湧いてきます。学ぼうとする意欲、自分で考えようとする力、学ぶ方法、そしてひらめき、その全てが合わさって、まだ見ぬ課題を見つけ、解決する力になる、それが学力です。 私たちは、将来にわたって、学び続けることが必要です。本学園の創設者である市邨芳樹先生はこのことを「終身教育」と呼びました。終身、つまり生きている限り勉強せよ、と言ったのです。百年も前にです。本校の建学の精神の一つの柱となっています。
 市邨先生は、次のように述べています。
 「人の尊きは実に其の「人」たるに在り。富貴や栄爵や知識や才覚や其有無は必ずしも直ちに人たるの価値を増減するものにあらず。自ら人たるの尊きを意識して始めて他人の人格を尊重するに至る」と。「人が尊いのは、実にその「人」であることにある。財力や名声や地位、知識や才能、それらの多少や有無が必ずしもそのまま人である価値を増減させるものではない。人である自分自身の尊さを意識して初めて他人の人格を尊重することができる」、と言っています。人は人であることで、それだけで尊いのだという、先生の教えは、本校の建学の精神である、「一に人物、二に伎倆」の大本にある理念です。学力よりも、能力よりもそのもとにある人としての気高さを高めようとしたのです。現代のSDGs(持続可能な開発目標)の理念に通じるものがあります。
 新入生の皆さん、学校は学ぶところです。授業で学び、部活動で学び、学校行事で学びます。そして、本校には、放課後の学びがあります。つらいことも多いし、悔しいこともある、仲間のことで悩み、自分の人生のことで悩み、くじけそうになる。でも、友と一緒に学ぶことで、やがて楽しくなるところです。本校での新しい学びの中で、新しい自分を見つけ、人として成長してください。君達が、自分の力を信じ、自らの未来を切り拓いていくことを祈念して、式辞といたします。

令和四年四月七日                  学校長 澁谷有人

校舎の外では、「SDGsボランティア有志」のメンバーが、「ウクライナ難民支援」の活動をしていました。御協力ありがとうございます。

令和4年度始業式を行いました

令和4年度の始業式を行いました。

晴天に恵まれ、グランドで行いました。桜は満開を過ぎていますが、はらはらと散る花びらの中での式になりました。

素晴しい、充実した一年になるように願いを込めた式になりました。

校長式辞です。

おはようございます。

 桜の花は満開を過ぎて、草木が一斉に芽吹き、春爛漫の4月になりました。令和4年度(2022年度)を皆さんと共に迎えることができて、本当に嬉しく思います。

 まず、始業式の始めに、この春休み中の皆さんの活躍をお知らせしておこうと思います。

 全国選抜大会に出場した部活動の活躍です。大会前には、コロナ感染者が何人か出て、参加できるかどうか大いに心配しましたし、十分に練習ができなかったのではないかと思いますが、市邨の名を背負って皆さんがばってくれました。

 熊本で行われた体操競技では、笠原さんが個人総合優勝を遂げました。段違い平行棒で優勝。牛奥さんが個人総合5位となり、跳馬で優勝しました。加藤さん、伊藤さん、中島さんもそれぞれ素晴らしい成績です。豊田市で行われた女子ハンドボール競技はベスト8に入りました。福岡で行われた男子テニス競技では2回戦進出,栃木県で行われたバドミントン部は、男女とも団体戦ベスト8、個人戦のシングルス、ダブルスでも活躍し、全国に名経大市邨の名を高めてくれました。さらに、香川県高松市で開かれた全国選抜中学校テニス大会では、決勝戦に進出し準優勝に輝きました。素晴しいことです。  このコロナ禍で、その頑張りにどれだけ励まされたかわかりません。頑張った皆さんに感謝したいと思います。全校で、その努力をたたえたいと思います。

  次に文化部の活躍です。3月21日に、文化部合同発表会を開催しました。パフォーマンス、研究発表、作品展示など15の文化部が参加して開催しました。卒業生や保護者の方もたくさん参加して、盛大な会になりました。昨年の文化祭では大幅に縮小されてしまったのですが、年度の最後になってようやく活動の成果を多くの人達に見てもらうことができました。市邨の「コロナに負けない」底力を見た気がしました。

 そして、ボランティアの有志の人達が、ウクライナ難民支援に立ち上がり、街頭で募金活動を行いました。春休中の毎土曜日、今池や栄、名古屋駅前の街頭に立ち、市民の皆さんにウクライナ難民支援を呼びかけました。その様子は、テレビや新聞にも取り上げられ、多くの人達の共感を得ました。市邨生ならではの、これまでの多くのボランティア経験が大きな一歩を踏み出したと言えると思います。このような活動は、今年から発足するユネスコ委員会の活動につながることで、皆さんの積極的な活動を期待しています。

 さて、いよいよ新しい学年が始まります。今年も、当たり前の日常ではありません。世界中でオミクロン株による第6波は収まっていません。3年目のコロナ禍での学校生活が強いられています。学校がコロナ対策についてどのように考え、どのような方針でいるかをこれまでも皆さんに伝えてきました。「コロナを怖れなさい、でも負けてはいけない」というのが、基本的なスタンスです。「コロナを侮らないで、克服する道を探る」ということです。これからも学校の方針はこの考えで進めます。

 毎朝、体温を測り体調管理アンケートに答える、手洗い消毒に努める、そして三密を避ける、密閉された空間、人の密集した状態、会話や話し合い等での密接を避けるということです。つまり、人と人との距離をとる、互いに接触しない、向かい合って話さない、向かい合って食事をとらない、自分の出したゴミは持ち帰る、ということです。この始業式でも、グランドという開放された場所で、互いの距離をとって行っています。卒業式や入学式の参加人数を減らすというのもそのためです。コロナが疑われる風邪症状や感染を心配する欠席は、欠席扱いをしませんが、出席欠席の判断は必ず保護者にしてもらってください。自分の都合でコロナを理由にして欠席をすることは許されません。

 このようなコロナ禍ですが、明日の入学式では、高校生473名、中学生77名が入学します。昨年より32名増えました。全校生徒数は、1577名となります。ここ数年生徒の数は安定して伸びています。それは本校の良さを理解してくれる人が増えているということであり、地域の皆様の期待の表れであると思います。iPadを使ったオンライン授業よって、臨時休校中でも「学びを止めな」かったこと、他の私学や公立校に先駆けてICT教育が進んでいることが評価されています。また、日本を変えるような教育改革が進む中、先頭に立って新しい教育に取り組んでいることが生徒や保護者だけでなく多くの学校関係者に期待感をもって受け止められているということもあります。数年来の授業改革は生徒の皆さんや保護者の方々の協力なくしては進めることはできなかったことです。皆さんに感謝したいと思います。

 社会の変化、というか世界の混乱をこれほど切実に感じさせる3月はありませんでした。毎日のトップニュースはウクライナ戦争です。街が破壊され、黒焦げになった病院や住宅、遺体らしき影、涙も枯れ声も出ない子供たちの姿を毎日テレビやネットニュースで観ています。世界は既に2年以上もコロナで痛めつけられ、未来の不透明さが暗くのしかかってきたころ、ロシアの暴力的な侵攻が始まったのです。昨日までの世界が明日も続くとは限らないことが、明らかになってきました。世界は思っていたより確かではないのではないか、もしかすると明日にも壊れ始めるのではないかという不安が世界を覆っています。

 コロナ禍やウクライナ侵攻の前にすでに社会は大きく変わり始めていました。これまでの慣習や社会生活が大きく変わってきています。ICTつまり情報や通信の技術が目まぐるしいスピードで進化し、これまでになかった社会が出現しています。コンビニなどで買い物をするのにお金は必要ありません。ビットコインなど暗号資産または仮想通貨といわれる、インターネット上の財産など、数年前までは考えられませんでした。しかし、この様な変化でさえ、世界から見れば数年は遅れているといわれます。特に公共機関、とりわけ学校の遅れが指摘されています。ICTへの対応だけではなく、社会の変化に追いついていないということです。ジェンダー、マイノリティ、いじめ、ハラスメント、とりわけ進路決定の不自由など未解決の課題が山積しています。このような課題を解決し、未来を開いていくのはあなた方若者です。そのような若者を育てる教育を担う学校が変わっていかなければならないと考えています。

 今年度から、校則を変更します。昨年度、皆さんや保護者の方からアンケートを通じて様々な意見をもらいました。その結果をまとめて、常識的な規定だけを残して簡単なものにしました。詳しい内容は、後ほど生徒指導部から示されるので、注目してください。ただ、今回の改訂が最終的なものではないと言っておきます。社会は大きく変化しています。規則は正しく前に進むためのものですが、常に見直さないと自分を縛るものになってしまいます。もっと君たちの意見を聞いて、あるいは君たち自身が決定する規則を作ることが必要だと思っています。大切なことは、君たち自身の意見も一通りではないということです。服装の規程を緩くしてほしいという意見もあれば、もっと厳しく規則を徹底してほしいという意見もあります。全員が満足する規則はできませんが、全員が納得する方向は出せるはずです。今回の改訂に続く更なる改訂を期待しています。

 制服については、本校は私学ですので、制服は学校をアピールする大事なアイテムでもあります。生徒の満足感を得ながら、社会に対して本校の清廉なイメージを伝える必要があります。学校の規律が緩んでいるという印象を与えてはいけません。自分の好きなように着崩してもらっては困るのです。服装の規定は、伝統を大事にする学園のイメージを体現するねらいがあります。

 問題行動があったときにどのように指導するかについて定めた懲戒規定というのがあります。この懲戒規定についても見直しをして、皆さんがわかるようにホームページにあげていますので、見ておいてください。

  本年度の本校の教育目標は、「生徒が主体となって、自ら考え、自ら行動する力を養う」です。個々の才能を伸ばして、未来への可能性を広げたいと思います。自分の頭で考え、自分の判断で行動し、自分の意思で責任をとる、そのような人物を市邨で育てたいと思っています。

 最後に、最も言いたいことを言います。勉強しましょう。自分のために、自分の未来のために、他の人と生きるために、世界が救われるために。勉強は、楽しいのです。自分が知りたい、わかりたいと思い、それを見つける行動がどんなに楽しいか。わかったと思った時に、新たに湧いてくる次の疑問、知りたいことが次々に沸き起こる快感を感じてほしい。人に教えられるのでなく、自分で考え、自分で行動することによって得られる、満足感、達成感を味わってほしい。

 本校は、伝統を受け継ぎながら、チャレンジする学校として、教育改革を進めてきました。市邨芳樹先生は、100年前に生徒たちに向かって、「起てよ、憤りを発せよ。有用の人たれ。活舞台に於いて活躍する活人物たれ。世界は我が市場ならずや。」と言って、世界に出ていこうと呼びかけました。コロナウィルスに苦しめられ、世界戦争の不安を感じているこの現代にあっても、本校は同じことを目指しています。創立116年目となる今年度も、自ら考え、自ら行動することによって確かな学力を育んでいくことを目指したいと思います。

 もう一つ、お願いです。コロナウィルス感染症が終息するまで、感染防止の手を抜かないでください。医療に従事する人たちに敬意を払い、感謝の念を持ってください。もし感染者が出ても、濃厚接触者が出ても科学的、医学的な根拠の下に対応して、自分の気持ちをコントロールしてください。偏見や差別感を持つことなく淡々とコロナに立ち向かいましょう。「人間の尊厳」を建学の精神とする市邨がコロナに負けるわけにはいきません。

 令和4年度が、ウィルスに負けないで、生徒一人ひとりが主体的なって学び続ける、充実した年になるよう願います。

令和3年度の修了式を行いました

今年度の修了式を迎えることができました。

あいにくの雨の予想ですので、グランドで全員が集うことなく、放送での修了式となりました。

この一年もコロナ禍で様々な制約を受ける中での学校生活でした。

生徒の皆さんは懸命に毎日の生活を送っていたと思います。その努力を高く評価したいと思います。

式辞です。
おはようございます。
 今日は令和3年度の修了式です。この修了式の意味は、1年間の学習の成果を認め、次の学年に進級することを承認するということです。ですから、ここに出席している君たちはこの一年間の学習の努力と成長が認めら、次の学年に進むということです。
 努力と成長は何によって認められたのかというと、君たちの理解では簡単に言えば、欠席数と点数です。でもみんなが気づいているように、欠席が多いからといって学力が付いていないとは言えないんじゃないか、30点取れなかったからといって、31点取った人より頭が悪いといえるのか、努力がたりなかったと言えるのか。という疑問はあります。
 今の基準はひとつの物差しです。人の能力や努力を測ることはきわめて難しいことです。不可能なことかもしれない。でも、評価は必要ないかというとそうではありません。社会の中で人々が互いを認め合って生きるには一定の評価が必要です。そのために、ある物差しを決め、それを基に基準を決めるのです。
 日本の学校では、その物差しは、決められた以上の欠席をしないこと、一定以上の成績(それは点数で決められているので)、決められた以上の点数を取ることとなっています。この仕組みが日本の学校では昔から続いてきています。
 しかし、市邨芳樹先生はそうは考えなかった。「学生の勉学は単に試験の為にあらず、智を磨き徳を修むる・・」といいました。試験では測れない努力や成長をどのように測るのかは、教育にとっての大きな課題です。そして、その物差しを変えようという取り組みが始まっています。日本中でそれに気が付いたのです。来年度入学する高校1年生より下の学年から進められるています。大事なことは、現在あるいは過去の努力や成長の結果を測る物差しが、未来への可能性を広げる物差し、評価でなければならないということです。未来の可能性を潰すような評価であってはならないということです。
 今年も新型コロナウイルスのためにあらゆることが影響を受けました。臨時休校こそ9月の一時期、あるいは個別の学級閉鎖でしたが、授業においては、グループワークが減ったり、体育や家庭科、音楽などで実技が制限されました。また、部活動が大きく制限されたり、大声で話をしないとか、大勢が一つの所に集まらないとか、部屋は常に喚起をするとか、食事は対面ではなく、黙食となったりしました。皆さんの協力で、陽性者が出ても、学校生活の中で感染が拡大することはありませんでした。ただ、最近起きた部活動での広がりは危機でした。感染は、誰にでも起こりうることだし、良いとか悪いとかいうことではありません。でもそう思わない人たちもいるのです。ですから、誰が感染したのかとか、私は陽性だとかも、悪気はなくても言ってはなりません。それは、高度なプライバシーなのです。自分のプライバシーも他人のプライバシーも守りましょう。
 学校行事は様々な変更を余儀なくされましたが、ほとんど実行することができました。高2の北海道への修学旅行と中3の沖縄への修学旅行を実施しました。後で考えれば、この時しかないというタイミングでした。
君たちはコロナのために充分な学校生活を送ることができなかったという「コロナ世代」ではありません。これまでの世代と同じ学校生活を送ってきたと言えます。しかし、一方では君たち自身の中に、学校はつまらないとか、行事も面白くないとか、学校に行く意味がわからないとか、これまで当たり前に学校に行っていたことへの疑問が湧いてきたとすれば、それは君たちにとっても学校にとっても大きな危機です。
 それでも、なんとか生活上の制約や課題をこなし、毎朝検温して健康アンケートに答えてくれたり、体調が悪いときは無理せず休んだりするなど、学校全体での心を合わせた取り組みによって、コロナの脅威に負けることなく、一年間を終えることができたのは、素晴らしいことだと思います。協力してくださった多くの人たちに感謝したいと思います。
 学校生活でiPadは欠かせないものになりました。オンライン授業のためというのでなく、通常の授業においてのiPad は当たり前の文房具です。授業アンケートにはさらなる活用を求める声が多くあります。学校としてはもっともっと活用を進めていこうと思っていますし、より安全に、安定した利用ができるよう考えています。特に情報セキュリティについてはまだまだ不十分だと考えています。生徒諸君の守るべきセキュリティポリシーについて全校で理解を深めないといけないと考えています。重大なインシデントが起きないように対策を取る必要があります。
 ところで、iPadを活用して、いくつかのアンケートを取りました。授業アンケート、学校生活アンケート、校則についてのアンケート、その他授業でもよくアンケートを取ります。これはできるだけ君たちの意見を取り上げて、生徒が主体となる学校にしようという動きです。よく答えてくれていると思いますが、学校がどのようにそれに応えるかに注目してください。全ての意見を取り入れることはできません。矛盾する意見があるからです。制服をもっと自由にしてほしいという意見もあれば、制服の規程をきちんと守るように指導してほしいという意見もあります。
 校則については、来年度何らかの進展が示されると思います。一旦改訂したら終わりでなく、より良い校則に向けて常に見直しをしたいと考えています。皆さんの協力をお願いします。
この先コロナが終息するのにどのくらい時間がかかるかわかりません。まだまだ耐え忍ぶ期間が続くと思います。でも、この様な時こそ、市邨精神をもって、慈 忠 忍 の心で行きましょう。犠牲的精神を発揮して、世界に貢献する人物たらんと、大きな志を持って欲しいと思います。市邨芳樹先生の教えは現代にも有効で、現代の世界中で取り組むSDGsの理念に通じます。世界から貧困をなくし、皆が健康で平等な生活を営み、みずみずしい自然を維持し、青く掛け替えのない地球を守っていく、そのような力を持ちたいと思います。
 有志の皆さんが、ロシアがウクライナに侵攻したために多くの難民が出ていることに対し、募金活動を始めました。勇気ある行動だと思います。
 私たちは、市邨精神を高く掲げて、来年度の教育目標である、「生徒が主体となって、自ら考え、自ら行動する力を養い」たいと思います。
 あすから春休みです。新学年が始まるまでに19日あります。新しい教科書は既に手にしています。開いてみて下さい。そして自分で勉強を始めて下さい。自分の興味のあるところを、自分の課題を見つけて、自分で調べ、考える、探究活動を始めて下さい。この春休みに、計画的に新学年の準備をしてください。
そして、コロナ対策をいつも忘れないようにしましょう。
46日に、全員元気で顔を合わせましょう。

中学校卒業式を挙行しました

寒さが戻った感がありましたが、春の息吹を感じながら中学校第75回卒業証書授与式を行いました。

コロナ禍の開催ですので、各御家庭1名のみ参列していただくという制限を設けさせていただきました。御協力ありがとうございました。

校長式辞です。

 日一日と春の暖かさを感じる季節になりました。本日、名古屋経済大学市邨中学校第75回卒業証書授与式を執り行うことを心よりうれしく思います。
 未だにコロナ禍が終息しない現在、感染対策のために保護者の皆様には制限を設けてご列席いただくことになりました。御協力ありがとうございます。万全の対策をもって式に臨みたいと思います。
 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、この日を楽しみにしてこられた、ご家族の皆様に心よりお祝いを申し上げますとともに、この三年間のご支援とご協力に深く感謝申し上げます。
 社会は激しく動いています。昨日までの常識が今日は覆されています。安全だったはずの日常が突然危険きわまりない不安定な世界に変わる現実を突きつけられています。
 11年前の3月11日、突然の地震と津波に襲われ、原子力発電所がメルトダウンし、死者行方不明者合わせて2万2000人という多くの人命と財産が失われました。未だに復興は道半ばです。そして、2年前の冬、突如新型コロナウイルスが出現、瞬く間に世界中にまん延し、日本での感染者数は昨日までに540万人を超え、死者は2万5000人に達しています。そして未だに終息する気配を見せません。その様なとき、2月24日、北京オリンピックの終了まもなくロシアがウクライナに侵攻しました。第2次大戦後の世界平和の枠組みが壊されました。戦争を回避するための国際政治の仕組みは機能しませんでした。世界中でこの暴挙に抗議し、停戦を求める動きが国際政治の上でも市民の間でも活発になっています。
 予測不可能な未来という表現をよく使います。それは、少子高齢化や温暖化やテクノロジーの発達により社会構造や環境が変化するという緩やかな危機が進行しているために、未来は不安定で予想不可能だという意味でした。しかし、実はそれだけではなく、突然の大変動、破局、つまり地震や感染症の蔓延などの自然災害、戦争という人間同士の争いごとが未来を予測不可能にしています。
 果たして2030年の未来は来るのか、2040年の未来に生きる若者は現在をどのように生きれば良いのか、未来を生きる君達若者に、いま求められているものは非常に大きいのです。先を見透すことの難しい社会で、君たちはどう生きるのか。9年間の義務教育を終えた皆さんは、社会のために大きな一歩を踏み出さなければならないことは確かです。
 皆さんは、3年前に本校の門をくぐり、市邨生となりました。その時の不安な気持ちを覚えていますか。3年たった今、皆さんは見違えるように成長しました。たくましく、自分の主張をプレゼンする姿を、昨日の「Ichimura J.H Open Day」で見ることができました。この3年間で修得したICT技術を駆使して、3年間の学習の成果を発信していました。MIRAIゼミやLanguage Arts、総合的な学習の時間、修学旅行、体育祭、ダンスレッスン、部活動などで皆さんがよく楽しみ、よく学んだことがわかりました。これらが単なる楽しい思い出として残っているのではなく、皆さんの学力を高め、自信を深め、人格を磨くことに繋がっていることを確信しました。
 特に修学旅行は、コロナのために実施が危ぶまれましたが、絶好のタイミングで沖縄に行くことができました。私も君たちと一緒に楽しい旅をしました。感染症対策のために観光は控え、自然体験としてのカヌー体験を行いました。沖縄固有の自然と歴史と風土を自分の体験として感じ取る中で、戦争と平和について学び、考えている君たちを見ました。遥か彼方の海底火山の爆発で噴出した軽石に埋め尽くされた海岸を歩いたことは忘れられません。あの時感じた見知らぬモノへの好奇心と感動は、iPadで記録したデータと共に、君たちの心に一生残ると思います。
 皆さんはこの3年間全国的にも最先端の学びを体験して来ました。コロナで臨時休校になってもオンラインで授業を行い、勉強を続けました。文房具としてiPadを使いこなし、充実したICT教育の環境を生かして、自分の頭で考え、自分を表現し、友達と協力して学び合うことができるようになりました。他の学校にはない学びが市邨にはあり、自分の成長を実感する中で、そのことがどれだけ貴重か自分で分かっています。
 本校では自分で課題を見つけ、自分で考え、仲間と協力して解決するという学習方法が当たり前になっています。学ぶ機会は授業中だけではなく、部活動やダンスコンテストなど多くの学ぶ場がありました。イングリッシュキャンプや、学校から出かけていった海や川や施設、あるいは家でもどこでも勉強ができることを皆さんは知っています。そしてそこにはいつも文房具としてiPadがありました。そこで見つけたのは、自分の頭で考え、身体を通して感じた自分自身の答えでした。さらに大事なのは、その答えを見つけるための方法、学び方を手に入れたことです。自分で課題を見つけ、自分で考え、自分で判断し、仲間と協力して解決する、これこそが、予測できない未来を生きる方法です。
 本校の創立者である市邨芳樹先生は卒業生を励まして次の言葉を残しています。「底力を養え」と云う題です。「皆さん、自分を忘れてはならぬ。つまり、皆さんの自覚を私は要求するのであります。自己の力を信じ、そして益々これを発揮するやうに私は祈ってゐる。真剣であれ、健実であれ、屈するな、難に耐えよ、粘り強く進め、最後の五分間まで突っ張るだけの勇気あれと私は激励するものである」
 卒業は、終わりの時ではありません。むしろ、新しい出発の時です。皆さんが中学の学びの中で見つけた課題はまだ解決されていません。これからの予測できない未来の中で、もっともっと大きな課題が出てくると思います。同じキャンパス内ですが、高校に進めば見える景色は違ってくるでしょう。友達関係も変化します。大きな変化の中で、新たな世界が見つかると思います。そこにはきちんと自分の頭で考える君たちがいて、自分で行動して、困難に打ち克って生きて行ってほしい。皆さんには可能性に充ちた未来が待っていると信じています。

 

第113回卒業証書授与式を行いました。

朝方までの雨がやみ、青空が広がり太陽が暖かな日差しを注いでくれる佳き日になりました。卒業式にはありがたい日和です。

第113回卒業証書授与式を挙行しました。

コロナ対策として各家庭からは1名の参加、在校生は参加しないという方針です。そのため、会場から式の様子をYouTubeLiveで配信しました。

コロナ禍ではあるけれど、生徒の顔はみな輝いていました。このような困難な世界に向けて、力強く船出をしていきました。幸あれと祈ります!

校長式辞

 厳しい寒さがようやく終わり、春の光あふれるこの佳き日に、名古屋経済大学市邨高等学校第113回卒業証書授与式を挙行し、卒業生480名を社会に送り出すことができることはこの上ない喜びであります。
 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様に心よりお祝いを申し上げます。
 コロナ禍の卒業式は3回目となり、未だにコロナウイルス感染症は終息しておりません。社会生活に大きな制限がかかる中、学校教育においても厳しい制約を受けています。 今年は、限定的ではありますが、ようやく保護者の方々にも式にご列席いただきくことができました。在校生の見送りがないのは残念です。
 2年前に突如出現したコロナウイルスによって世界は大きく変わりました。21世紀になって20年が過ぎ、世界の枠組みがさまざまな綻びを見せていたところに、コロナははっきりと古い時代の終わりを告げる役割を果たしたと思います。
 そして2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻によって第2次世界大戦後 世界が作り上げてきた世界秩序の枠組みが崩れ始めました。私たちは、今の自分がよって立つ基本的な常識、それは、現在の世界の体制が保たれるのはあたりまえ、この平和はいつまでも続くだろうという常識ですが、戦争という暴力によってもろくも崩れ去ることに唖然とし、呆然としています。突然の戦争開始に対して世界中の市民はただ茫然としているだけでなく、人々の命と財産を奪う軍事行動に対して人道的な抗議の声を上げなければならないと考えますが、何故、どのようにして戦争に至ったのかを歴史的な観点から探り、検証し、我々の未来に対する脅威をどのように回避することができるのかを、各々が自分で考えるよう迫られているのだと思います。正しい歴史認識がなければ今起きていることの意味を理解できず、これからの世界をどう生きればいいのかもわからなくなります。あなた方がこれまで学校で学んできたのは、このような事態をもきちんと受け止め、自分の意見を持つという、まさに未来を切り拓く力を持つためです。あなた方は世界史を学び、時事問題で意見を述べあい、国語で言葉での表現を身につけ、英語でコミュニケーションすることで異国の文化を理解し、情報について学び、世界で起きていることを瞬時に知るテクノロジーを習得してきたのです。これまで学んで修得した力が、単に入学試験の為でなく、未来を切り拓いて生きる力であるのかどうか、自ら検証してみてください。18歳になったあなたはこの4月から成人です。大人としての自立が求められています。
 コロナの蔓延で世界は繋がっていることを実感しました。今回のウクライナ侵攻も我々日本の経済や政治に直結していることは明らかです。はっきりしていることは、世界は我々のすぐ側にあり、我々が信じているほど、安定していないということです。君たちが入学するときのパンフレットに「2030年の未来が見えますか」というキャッチコピーを載せました。その時は、「テクノロジーの発展と経済産業構造が大きく変化する中で現代の高校生はどう生きるか考えよう」と呼びかけるものだったのですが、この2年間に起きた世界の変化の中では、「君たちは、より能動的に(activeに)自分の未来を切り拓いて生きなければならない」という呼びかけに変わったと思います。未来は過去の延長上にはない、誰もこれから先のことを教えることはできない、未来を担う若者は自分という視点を持って、自分の力で未来を創り出さなければならないということです。
 ただ、未来への展望は悲観的なことことばかりではありません。未来を自分の力で変えようという動きが社会の中に生まれてきています。SDGsを進める運動が企業や政府やマスコミや学校など社会全体で取り組まれています。ゼロカーボン社会の実現に向けて運動が広がり始めました。持続可能な社会を作らないと我々に未来はない、ということがただの理念や一部の人の運動ではなく、社会通念として理解され、取り組んで行こうという社会になってきたのです。私の考える学校の使命は、「多様性を積極的に認める社会、人間の尊厳を守る社会、そのような持続可能な社会を構成する人々を作る」というものです。
 市邨精神についてはこれまでも話をしてきました。「桜は桜、松は松たれ」という、多様性を認め、与えられた才能を自覚し努力せよという教え、「世界は我が市場ならずや」という、常に世界を視野に入れて判断し行動するというグローバルコンピテンスを養えという教え、そして「犠牲的精神」というのは、自ら楽しんで人のために尽くすということ、「終身教育」と呼んだのは、人世100年の現代にあって、生きている限り学び続けよという姿勢でした。まるで、SDGsにいうところの、17個の達成目標ではありませんか。
 このような市邨精神の下で育まれたあなたたちの学びは、北京オリンピックで失意の羽生結弦選手が試合後に述べた「報われない努力だったかもしれないけど、一生懸命に頑張ってきました」という言葉に通ずるものがあると思います。市邨での学びは、市邨芳樹先生が述べた「各自の天禀に適応し、精励以て特色を発揚し、而して無名の英雄たるに甘んぜよ。」という一節に込められています。市邨での学びは「自分自身だけが知る、かけがえのない努力」そのものだったと言えると思います。その価値はあなた方自身が最もよく理解しているところです。
今日、市邨での学びを胸に、誇りをもって巣立ってください。
 結びに、餞(はなむけ)の言葉を送ります。このような世界の秩序が危うくなった、まさに混沌とした時代にあっても通用する言葉です。
「起てよ、憤りを発せよ。有用の人たれ。活舞台に於いて活躍する活人物たれ。世界は我が市場ならずや」
令和四年三月二日
 名古屋経済大学市邨高等学校長  澁谷有人

明けましておめでとうございます

2022年が始まりました。
コロナ禍での3年目の正月となりました。
生徒たちは、久しぶりに会う友達に嬉しそうな笑顔で応えていました。明るい展望の開ける新年にしたいと思います。
始業式は、各教室で放送にて行いました。
始業式後は、中学校は学力推移テスト、高校1,2年は「学びの基礎診断」、高校3年は授業となります。
始業式式辞「年頭のあいさつ」です。
明けましておめでとうございます。

 

2022年、令和4年が明けました。
 今日は17日、人日の節句といいます七草の節句ともいいます。七草がゆを食べると一年病気にならないとか、五節句の一つです。
 新型コロナが広がって、3年目になってしまいました。ここまで長引くとは思いたくなかったですね。100年前のパンデミックであるスペイン風邪は、1918年から1920年までの3年間続いたと記録にありますからひょっとして1年や2年では終わらないのかなとは思っていましたが、まさか3年目に突入するとは、そして、年が明けて、身近に陽性者が出るに及んでは、楽観的な展望を抱いてはだめだと思います。確実に一つ一つの感染防止対策を実行し続けなくてはいけないと思います。

 今年の元旦には、初日の出を見ることができました。雲は少しかかっていましたが、太陽が輝きながら登ってきたとき、自然と厳かな気持ちになって、いい一年になりますようにと拝みました。
 実は、私は、今年は世界が前向きに変わっていくのではないかと感じています。世界は安定しているとはとても言えませんが、12年前と比べると、世界を暗澹とさせたアメリカのトランプ氏はひとまず退場し、イギリスのブレグジット(EU離脱)は大きなダメージをイギリスに与え、回復しないまま低迷している。フランスのマクロン大統領は人気が低迷したまま、ドイツのメルケル首相は偉大な足跡を残して退場し、あまり混乱せずに政権交代しました。きな臭いのは、ロシアとウクライナが戦争直前にあること。カンボジアはタリバンが復権してしまったが表面上は落ち着いたし、インドとパキスタンは小康状態、問題はミャンマー、中国の脅威は拡大しています。そして北朝鮮。
 何も良くなってはいないけど、なんとなく最悪の事態は過ぎ、これから先は大きく足を踏み外すことなく、正しく変わっていけば、世界の状況は良くなってくるのではないかと勝手に思えるのです。CO₂問題に対しては、一応世界が協調して脱炭素政策が打ち出され、再生エネルギーを求める動きが進んでいます。SDGsは世界中で動きがあり、企業においてもSDGsへの取り組みを大きく謳うようになりました。17の目標を追究する様々な取り組みは、次に来る社会の、新しい価値観にまでなってきています。いまや、ICTは加速度的に進み、AIは社会の隅々にまで浸透しつつあるし、ロボットは工場では当たり前で今や家庭にまで入り込んでいるし、車のEV化はあれよあれよという間に進んでいる、テスラは次に車を買い替えるときの選択肢の一つとなり、トヨタが昨年末に路線を変更して、一気にEV戦略を進めることになりました。愛知県は大きく影響を受けるでしょう。
 ネットの世界でもSNSYOU TUBEは当たり前のインフラとなり、Facebookは名前をMetaに変えて、次はヴァーチャルな世界を当たり前に行き来するメタバースの世界だと言っています。
 コロナにもかかわらず、いやコロナだからこそ、コロナをきっかけにして世界は確実に変わろうとしているのです。

変わってないのは、我々の、いや君たち若者の世界観。世界がこれからどのように変わっていき、したがって、君たちの職業がどのように変わり、君たちの未来の生活がどのように成り立っていくのか、想像できないでいて、ただ、今の生活の延長上にしか未来を描けないことです。これでは変わりゆく世界をリードすることはできず、おいて行かれないように現在に踏みとどまるのが精いっぱいとなってしまいます。
 だから学校は変わらなければならない、今までの価値観を脱ぎ捨てて、例えば、いつも言っているように、「学ぶとは、覚えることではない」とか、「試験は、いい成績を取るためではなく、いまの自分の力を測るもの」だとか、「自分の考えが正しいかどうかは、人前で表現して始めてわかる」とか、「いい大学に入ることに価値があるのではなく、やりたいことができる大学に価値がある」だの、新しい目で今の考え方を見直す必要があるのです。
 つまり、新しいキャッチフレーズでいうと、「殻を破って、新しい自分を見つけ出そう」ということです。
 今年はそれが可能になる年ではないかと思うのです。コロナに負けなければ、実現可能です。
 4月から新しい学習指導要領で構成された新しい教育課程で学ぶ1年生が入学してきます。その時、今の1,2年生である在校生の君たちも変わることになります。いや既に君たちの学びは大きく変わってきています。他校と比べればそれがよくわかるはずです。iPadを自由に使いこなすというだけの違いではありません。授業そのものが自らの活動を主体とした授業に変わりつつあります。
 授業だけでなく、部活動もまた大きな進歩を遂げています。全国的に活躍する部や毎日の練習で充実した活動をする部があります。部活動を一生懸命に取り組むことが自分の生き方においてどのような意味を持つのか、それを自ら理解することが、自分の大きな成長に繋がります。去年はオリンピックで卒業生が活躍し、話題になりました。今年も、北京オリンピックで吉永一貴君が活躍します。スピードスケート・ショートトラック日本代表です。また、全日本カート選手権で活躍する野村勇斗君が鈴鹿サーキットレーシングスクールの選考会で選ばれ、次世代レーシングドライバーを目指してフランスに活躍の場を移します。
 「世界は我が市場ならずや」。世界で活躍する人を市邨は応援し続けます。
 最後に、高校三年生は、人生の次のステージに向けて学びを続けてください。来週末の大学入学共通テストに向けてがんばっている人がいます。すでに進路先を決めている人も、これからが勉強です。勉強は卒業した後のためにするのです。大学に入学するためではありません。
 三学期は、一年の締めくくりです。あっという間に過ぎていきます。
 これまでの殻を破って、新しい自分を見つけましょう。